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天皇賞を振り返る

  • 2005年05月04日(水) 11時16分
 長距離戦ほど、騎手の思惑がちらちらするので、それをどう読み取るかなんですね。冷静にその一点を見つめていれば、春の天皇賞を的中させられたかというと、とてもそんなはずは無いでしょう。しかし、その結果を検証して味わうぐらいのことはやっておくべきでしょう。

 スズカマンボと安藤勝己騎手、このコンビは菊花賞6着のとき、ある感触を得ていました。デルタブルースにそれほど負けていなかったので、菊の延長上で考えれば、勝負師が今度はどう戦うか、期待感は大きかったとも考えられました。

 ビッグゴールドと和田竜二騎手。逃げて二枚腰を使うところは、復帰後、阪神で2連勝した内容を見れば明らかでした。注意すべきことは、その逃げ方に変化があったかどうかで、この点はレース後、以前と違って力まずに走るようになっているという和田騎手の話が伝えられました。一旦シルクフェイマスに先頭を譲っても、人馬の呼吸はピッタリだったのです。昨年のイングランディーレの大逃げに見るように、長距離戦の逃げ馬と言うのは考えるべき要素だったのでしょう。

 アイポッパーと藤田伸二騎手。年明けの充実ぶりを出し切り、この異様な雰囲気の中では一応力を出し尽くした一戦でした。とにかく人気どころが後方で動かない流れでは、人気馬の中では納得のレースでした。

 スローな流れで脚をためたつもりでも、結局、ある程度前にいなければ勝負にならないレース、長距離戦によくあるパターンではありますが、とても予測できるものではありません。次の糸口にでもなればと考えます。

 さて、NHKマイルC、この厳しいG1戦は、思惑が見え隠れすると言っても、それはスタート前のことでしょう。速いペースを打ち砕くには、どの馬のどんな戦い方が合っているのか、異なる見どころを楽しめます。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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