スマートフォン版へ

枠番が超重要となる一戦!/シルクロードS

  • 2018年01月24日(水) 18時00分

■シルクロードS(G3・京都芝1200m内)フルゲート18頭/登録22頭


【コース総論】京都芝1200m内 Bコース使用

・コースの要所!

★上位人気は高い連対率をマーク。超人気薄の激走率も意外なほどに高い。
★圧倒的に内枠有利で、馬番1〜4番は素晴らしい成績。外枠は割引が必要。
★完全に先行勢優勢のコースで、前残りが多発。最速上がりでも差せない。





 施行レース数が多そうで多くない、京都芝1200m内。18頭立てに限定すると2014年以降でも19レースしかないので、今回はもっともデータ母数が多くなる、16頭立てに限定したデータを掲載している。内回りなので高低差は小さく、さらに最後の直線も短いという、まるでローカルのようなコース形態だ。

 まずは人気別だが、1番人気は勝率28.1%、連対率53.1%となかなかの信頼度。2〜3番人気もそうだが、「3着ではなく1〜2着に来る」のが特徴である。その影響をモロに食らっているのが4〜6番人気で、トータル[5-6-15-70]と、こちらは3着率が飛び抜けて高くなっている。あとは、13番人気以下の爆穴がけっこう突っ込んでくるのも、見逃せないポイントといえる。

 続いて枠番別成績。ローカルに近いコース形態だけに、完全に「内枠有利&外枠不利」の結果となっている。内枠である馬番1〜4番は勝率、連対率、複勝率のいずれも飛び抜けて高く、単勝適正回収値131.9、複勝回収率165%、枠番値プラス0.9と妙味も抜群。単純に内外を比較したデータでも、比較にならないほど大きな成績差が出ている。枠番は内であればあるほどベターと断言しよう。

 そして脚質面も、まるでローカルの短距離戦のよう。4コーナーを先頭で回った馬は[7-6-3-11]で連対率48.1%、複勝率59.3%、複勝回収率214%と超優秀で、先行勢全体で見ても素晴らしい成績。このコースがいかに差せないかは、「最速上がり馬の勝率9.1%」という低調な成績が証明している。つまり、内枠から前に行って、そのまま粘れるタイプがベスト。たとえ重賞でも、そうそう簡単には差せないはずである。

【レース総論】シルクロードS(G3) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は[2-1-0-7]と大不振も、2〜4番人気は[7-5-2-16]と絶好調。
★レースデータも完全に「内>外」。必ずひとケタ馬番を重視すべき。
★コースデータより差せるが逃げ馬の強さは健在。5〜6歳馬が好成績。
★前走着順が今回の結果に繋がるレース。ハンデは重いほうがベター。









 レースの平均配当は、単勝546円、馬連5628円、3連複2万7943円。1番人気が[2-1-0-7]と非常に弱いレースなのだが、2〜4番人気が[7-5-2-16]と、それを補ってあまりある好成績であるため、単勝平均配当だけがグンと低くなっている。アタマはけっこう堅いが、ふたケタ人気が7回も馬券に絡んでいるように、ヒモはけっこう荒れるレースである。

 枠番データはコースデータ同様に、完全に内枠有利&外枠不利。内枠に人気馬が入るケースが多かったとはいえ、内外でこれだけ成績差が出るというのは尋常ではない。信頼度がもっとも高いのは馬番1〜4番だが、平均人気の差を考えるとさらに優秀なのが、枠番値プラス1.4を叩き出した馬番5〜8番。「真ん中よりも内」を引いた馬については、今年も徹底的にマークすべきだ。

 コースデータとやや異なる結果が出たのが脚質面で、道中のペースが厳しくなる影響もあり、中団待機組がけっこう上位に食い込んでいる。とはいえ、やはり信頼度が高いのは先行勢で、逃げた馬も半数が連対を確保。道中のペース次第ではあるが、先行勢重視のスタンスで臨んだほうがベターだろう。

 年齢別で目立っているのが、4歳馬の不振である。勝ち馬が1頭、連対馬が2頭出てはいるが、そのうちの2頭はロードカナロアとセイウンコウセイという、後のスプリントG1勝ち馬。つまり、それくらいの器でないと4歳では勝てない──ということだ。このレースで強いのは5〜6歳馬で、7歳以上馬も成績はイマイチ。少し割り引いて考えたい。

 斤量については、基本的には「背負っている側」のほうが強いレース。信頼度が高いのは、牡馬ではハンデ57キロ以上、牝馬ならばハンデ55キロ以上馬で、前走から斤量増であればモアベターである。ただし、ハンデ54キロ以下の牡馬が5回も3着にきているように、軽ハンデ馬も侮れない面アリ。人気薄をヒモに狙うならば、このあたりを積極的に攻めてみるのも面白い。

 そして、意外に侮れないのが前走着順。ハンデ戦でもあり、前走大敗からガンガン巻き返してきそうなイメージだが、実際はそうでもない。前走での好走が今回の結果にキッチリ繋がっており、前走5着以内馬とそれ以外では、かなりの成績差アリ。素直に、前走でも好走している馬を信頼したい一戦といえる。

 最後に、小ネタのコーナー。シルクロードSはなぜか「セール購買馬」が不振で、昨年セイウンコウセイが2着に来ているものの、それ以外を狙ったほうが良さそう。あとは、「人気の鹿毛は猛烈に強いが、人気薄の鹿毛はすこぶる弱い」というのも、なかなか面白い傾向だ。まったくアテにはできないデータだが、当たるも八卦当たらぬも八卦。判断に迷った際にはご一考を。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 A→Bコース替わり。先週の芝は完全に「前&内有利」のバイアスだった。

・天候予測
 気温が非常に低く降雪も十分にあり得る状況。土曜の馬場は要チェック。

・注目血統
 アドマイヤムーン産駒◎

 開催が進むにつれて、どんどん馬場が悪化している京都芝コース。しかし外差し馬場にはならず、内のほうが伸びる馬場バイアスにある。先行勢の残りっぷりから考えても、前&内が有利であるのは明白。今週からのBコース替わりで、これがどう変化するか注目だ。気温が非常に低く降雪もありそうなので、天候も要注意。

 血統面は、アドマイヤムーン産駒のみをプラス評価の対象としたが、次点をあげるならばダイワメジャー産駒。逆に、コース適性が間違いなく低いのが、キングカメハメハ産駒とディープインパクト産駒だ。キングカメハメハ産駒にいたっては期間内未勝利と、鬼門といっても過言ではないほど。アットザシーサイド、アレスバローズ、ミッキーラブソングの過信は絶対に禁物である。

★出走登録馬・総論×各論

 いかにも大混戦というメンバーとなりそうな今年のシルクロードS。netkeiba.comでの予想オッズも、現在はダイアナヘイローが1番人気で、その次がなんとアレスバローズという、なかなかのカオスっぷりだ。最終的にどの馬がどの程度の人気を集めるのかすら、かなり読みづらい一戦である。

 また、枠番の影響が非常に大きいコース&レースであるのも、絶対に忘れてはならないポイント。現時点での評価が、枠番決定後にガラッと入れ替わる可能性もある。先週の馬場を考えても、内枠から前に行ける組がとんでもなく有利であるのは間違いなし。傾向に変化がないならば、外枠を引いた人気馬など買えたものではない。

 ……と前置きした上で、トップ評価はファインニードル。さすがにスプリンターズSでは通用しなかったが、京都替わりで相手関係が格段に楽なここならば、あっさり巻き返せる可能性が十分にある。プラス評価となった項目数は最多で、割り引いたのは前走での12着という着順くらいのもの。ひとケタ馬番を引ければ、文句なしの本命級だ。

 二番手評価にナックビーナス。前走のカーバンクルSでも危なげのない1着と、今は本当にデキが良さそうだ。短距離重賞で上位に食い込んだ実績もあり、ここなら能力的にも遜色はないはず。内枠を引き当てて、好スタートからスムーズにハナを奪えたならば、今度も勝ち負けに持ち込めるはずだ。

 三番手評価にセイウンコウセイ。ひと頃は調子を落としていた実績馬が、前走あたりからようやく復調気配だ。昨年2着に好走しているように、コース適性は文句なし。昨年春のスプリント王なのだから、実績面も当然ながら文句なし。本調子さえ取り戻せば、トップハンデ58キロでも好勝負必至だろう。

 以下はダイアナヘイロー、ミッキーラブソング、ロードクエストという評価の序列だが、このあたりは前述した通り、すべては枠番次第。極端な話、ひとケタ馬番から前に行けるような馬であれば、すべてヒモで押さえたほうがいい。波乱も大いにありうる一戦だと思うので、絞らずに手広く勝負したい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース アメリカJCC(G2)
1着 07ダンビュライト
2着 03ミッキースワロー
3着 09マイネルミラノ

またミルコに以下略(#^ω^)ビキビキ

トップ評価だったブラックバゴが回避。そこはかとない不安を感じつつ、03ミッキースワローと01レジェンドセラーの1点で勝負したところ……まったくアツくなかったでござる(自己責任)。というわけで今後は、「単複しか買わない&堅そうな場合は次回にコロガシ」という新ルールでやらせていただこうかと。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング