新種牡馬の注目馬はやはりジャスタウェイ(須田鷹雄)
◆今後のサンデーサイレンス系を考えるうえで重要
2017-18のPOGにおいて、注目新種牡馬といえばロードカナロアとオルフェーヴルだった。そして2018-19シーズンは、おそらくジャスタウェイが新種牡馬の中では人気を集めるだろう。他に輸入馬ではダンカークやケープブランコ、内国産馬ではグランプリボスやトゥザグローリーもいるが、全体に小粒感がある年なのでジャスタウェイが目立つ存在になることは間違いない。
そしてこのジャスタウェイ産駒が走るかどうかは、今後のサンデーサイレンス系を考えるうえでも重要なポイントになりうる。
というのも、天下のサンデーサイレンス系といえどもここへきてやや先細り感があり(頭数はめちゃめちゃいるが)、そこから流れを変えられるかどうかの戦いになるからだ。
「サンデーサイレンスの孫世代種牡馬」は既にかなりの数を数えているが、大物を複数出すような種牡馬はまだおらず、そしてなぜかダート側での成功が目立つように思える。
年齢順に言うと、カネヒキリは中央芝で0勝・ダート119勝というものすごい記録を作っている。自身が芝馬であったアドマイヤオーラはノボバカラとクロスクリーガーというダートの活躍馬を出した。ダービー馬ディープスカイも気が付けば産駒成績はダート>芝。スマートファルコンやエスポワールシチーといったゴールドアリュールの後継でもともとダート色の強い種牡馬は、初年度産駒から地方の重賞勝ち馬を出してまずまず堅調だ。
もちろん産駒成績が芝>ダートの種牡馬もいてドリームジャーニーやリーチザクラウン、ディープブリランテあたりは悪くない結果を出しているが、決定打になる存在ではない。GI級の産駒となるとヴィクトワールピサがジュエラーを、トーセンファントムがブレイブスマッシュ(先日オーストラリアでGI勝ち)を、そしてオルフェーヴルがラッキーライラックを出しているが、まだ「孫世代も安泰!」という雰囲気には至っていない。
このあともゴールドシップやキズナ、キタサンブラックといった中長距離の王者が控えているし、マイラー系ではリアルインパクトやカレンブラックヒルが産駒数を確保している。また、繁殖牝馬側でサンデーサイレンスの代が下がることにより、配合できる相手の数も増えてくる。そう考えるとジャスタウェイ産駒が仮に走らなくてもそれがSS系の終わりを示すことにはならないのだが、逆に走ってしまえば「孫種牡馬もイケる」となるわけである。
2世代めを迎えるオルフェーヴルと初年度のジャスタウェイでどのような結果を出せるか。血統の未来を予見するためにも今年度の結果には要注目だ。