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本番へ向けての重要な一戦!東西3重賞の有力馬追い切りチェック!

  • 2018年02月28日(水) 18時00分


スピードの絶対値が違うダノンプレミアム


 いよいよ、今週はチューリップ賞と弥生賞。3歳クラシックを占う上では重要な一戦ですし、桜花賞、皐月賞の馬券検討はここから始まっているといっても過言ではありません。各有力馬がどんな状態で出走しており、どんなレースを見せるのか。それが今後の伸びしろになってくるはず。どちらも頭数が少ないので、馬券妙味は少ないかも知れません。仮に馬券を買わないとしても、調教内容やパドック、レース内容を必ず確認して、G1に備えてほしいところです。

 一方、オーシャンSは狙っていたアレスバローズが除外濃厚。高松宮記念に向けて新興勢力に期待するならこの馬と思っていただけに残念。でもビップライブリーやダイメイフジといった馬たちが新興勢力になる可能性もあるだけに、ここも注目してみたいところ。

【オーシャンS/レーヌミノル】

 昨年の桜花賞以来、勝利から遠ざかっていますが、芝1200mは2戦2勝。新興勢力というよりも本来の素質をスプリンターとして開花させるか否かを問われる一戦となりそう。阪神カップ以来のレースですが、追い切り本数は最終追いも含めて3本だけ。

 正直、休み明けとして見た時に6本程度が標準という私の考え方からすれば、かなり少ない本数です。しかし、その動きは機敏ですし、最終追い切りでも手応えに余裕がありながら、追いかけたエテルナミノルをきっちり交わして先着。これだけ動けていれば、と思うところもありますが、さすがに古馬牡馬混合の重賞となった時にこの調教量でも息切れしないのか心配。逆にこの状態でも勝ち負けするようなら、高松宮記念に出走した時の上積みは相当でしょう。

レーヌミノル(写真中央、2月28日撮影) style=

かなり少ない本数だったが、その動きは機敏だったレーヌミノル(写真中央、2月28日撮影)


【チューリップ賞/ラッキーライラック】

 2月3日にノーザンFしがらきから帰厩していますが、ここまで「盤石」という言葉がふさわしい調整内容。普段の調教ではCWを2周乗るなど、かつての松田博資厩舎が行っていた調教内容に似た、しっかり負荷をかける調教を課しています。それにへこたれることなく、むしろ日増しに逞しくなる姿は素晴らしいの一言。

 最終追い切りはCWでしたが、ナンヨープルートーを追走して、最後は楽に先着。どちらが古馬か分からないくらい安定した走りを見せてくれました。時計は6F82.7〜5F67.1〜4F52.4〜3F38.9〜1F12.4秒なので、極端に速いわけではありませんが、あれだけ楽に走っていながらこの時計が出たことが評価できます。追い抜く時の一瞬の脚はまさに女王の貫録。レースでもそんな走りを期待します。

ラッキーライラック(写真奥、2月28日撮影) style=

どちらが古馬か分からないくらい安定した走りを見せたラッキーライラック(写真奥、2月28日撮影)


【チューリップ賞/リリーノーブル】

 先週までは坂路でしっかりと乗り込んで、最終追い切りはCW。ラッキーライラックとの違いは普段はCWを乗っていないこと。しかし、その分、坂路で鍛えられたパワーが身になってきたという印象はあります。

 川田将雅騎手が跨って、レクイエムを追走した最終追いは前半ゆっくり。後半になって、徐々にラップが速くなりましたが、圧巻はラスト1F。一瞬にして相手を追い抜きましたが、この時に相手が止まってみえたくらい。ラッキーライラックの瞬発力も素晴らしいと思いますが、瞬間的に出せるスピードはこちらが上かも知れません。時計は6F86.5〜5F68.8〜4F53.3〜3F38.2〜1F11.5秒。とにかく最後のキレには圧倒されました。

リリーノーブル(写真奥、2月28日撮影) style=

とにかくリリーノーブルの最後のキレには圧倒されました(写真奥、2月28日撮影)


【弥生賞/ダノンプレミアム】

 1週前追い切りのCWでは向正面で行きたがるような素振りを見せたというのは、先週のトレセンニュースでお伝えした通り。それだけに今回はどれだけ落ち着いて走ることができるかに注目していましたが、単走ということもあって、思っていた以上にゆったりと走れています。

 それでいながら、道中のラップはそれなり。これこそスピードの絶対値が違うということでしょう。最後の直線もぐんぐん加速していくのですが、パワーというよりもとにかくスピード。なんだか語彙の少なさに自分が嫌になるくらい、この馬の素晴らしさを言葉として表現しきれないところが悔しいです。でも逆に言えば、荒々しさがない分、現状ですでに完成形。そういった意味ではあまり魅力を感じません。

ダノンプレミアム(2月28日撮影) style=

ダノンプレミアムの素晴らしさを言葉として表現しきれない(2月28日撮影)


【弥生賞/ワグネリアン】

 先週、主戦である福永祐一騎手に話を聞く機会がありましたが、やっぱりこの馬の課題は気性なんだろうなと感じました。それでも帰厩当初の落ち着きのない頃に比べると、落ち着いてきた印象。それが最終追い切りの動きにも表れたような気がします。

 坂路で単走でしたが、4F53.9〜3F39.9〜2F25.9〜1F12.3秒。予定より1秒ほど速かったようですが、道中はリラックスしていましたし、最後の1Fもまっすぐ駆け上がっています。余力があるからこそ安定した走りができたと思いますし、まだ仕上がりに余裕のある今回でどんなレースをしてくれるのか。それによって、皐月賞、日本ダービーといった大舞台でのパフォーマンスが変わってきそうです。

ワグネリアン(2月27日撮影) style=

余力があるからこそ安定した走りができたと思うワグネリアン(2月27日撮影)


◆次走要注意

・2/24 3歳未勝利【シャンデリアスピン】(5人8着)

 前走後は在厩して調整し、4週前からブリンカーを着用。追い切りでの動きにも変化が出て、一気の距離短縮とレース条件にも変化をもたせました。
 着順は悪かったものの、上がり3Fはメンバー最速。次もこの距離なら、もう少し流れに乗ってレースできるでしょうし、勝ち負けに加わってこれるはず。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切り栗東坂路で4F目最速ラップ勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・早鞆特別【クルークハイト】
 弥生賞に出走予定のサンリヴァルの併せパートナーを務めましたが、大きく先行していたとはいえ、最後まで楽な手応えで先着。レースも早目先頭に立って押し切るタイプなので、この動きのイメージなら、昇級しても全く問題ないと思います。

クルークハイト(写真左、2月28日撮影) style=

この動きのイメージなら、昇級しても全く問題ないと思うクルークハイト(写真左、2月28日撮影)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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