ここは勝たなければいけないスワーヴリチャード
先週のチューリップ賞、弥生賞を見ての感想。やっぱりそれぞれのレースから桜花賞と皐月賞の最有力候補が出たという印象があります。弥生賞に関しては、パドックを見ることができたので、それぞれが次走へ向けてどんな状態で出走してくるのか。やっぱり3歳って短期間でぐんと成長したりしますから、それを確認できるのが楽しみ。ラッキーライラックは在厩して調整するようですから、その様子を毎日見れることに喜びを感じます。
今週の注目レースはなんといっても金鯱賞。トレセンニュースに記事をアップしましたが、サトノダイヤモンドがルメール騎手を背に、先週までとは違う動きを見せました。この馬が本領を発揮すれば、当然の最有力候補でしょう。でもそれに負けじと他の有力馬も仕上げているだけに、どんな激突になるのやら。今からウマい馬券の印打ちに苦労することが予想されます(笑)。
【中山牝馬S/エンジェルフェイス】
新春Sで自己条件をきっちり勝ち上がって、前走京都牝馬Sは4着。ようやく復調したといったところで、3歳時にフラワーCを勝ったのと同じ条件の中山芝1800m。前走から中2週というローテーションもあって、最終追い切りはDコース芝馬場で単走という内容。
とはいっても、前には同厩舎の併せ馬がいて、鞍上には三浦皇成騎手。軽い内容に見えて、要所はきっちり負荷をかけているような状況。時計が出すぎないようにといった感じで終始鞍上は手綱を押さえていましたが、動き自体は力強くて、時計は5F67.1〜4F52.2〜3F39.0〜1F12.0秒。芝なので、数字は遅くなりましたが、いろいろ考えられた上での内容といった感じがします。
数字は遅くなったが動き自体は力強いエンジェルフェイス(3月7日撮影)
【金鯱賞/スワーヴリチャード】
トレセンニュースで1週前追い切りをお伝えしたように、時計的にも迫力的にも申し分ない内容。庄野靖志調教師も「今週はしっかりやっておくつもりでした」ということでしたし、ジョッキーもその意図を分かって、きっちり追ったという感じ。
この動きが「動」だとすれば、今週は「静」。M.デムーロ騎手が跨って、向正面からゆったり走っているにも関わらず、それなりのラップ。このままだと直線に向いたら速いだろうと思いましたが、ラップ自体は速まることなく、最後も流す感じ。でもしっかり手前を替えていましたし、力強さも十分。時計は6F84.7〜5F69.9〜4F55.4〜3F41.0〜1F13.0秒と遅くなりましたが、これは出来ているからこそ。左回りの芝2000mなら、ここは勝たなければいけません。
左回りの芝2000mなら勝たなければいけないスワーヴリチャード(3月7日撮影)
【金鯱賞/ヤマカツエース】
昨年と全く同じローテーションになりますが、今年の方が追い切り本数は少ない仕上げ。とはいえ、休み明けとして標準量はこなしているのですが、調教の開始時期が少し遅くなったことが本数に関係しています。その分というわけではないでしょうが、1週前追い切りも昨年の方が時計的にも動いています。
とはいっても、いつも機敏な動きを見せる馬で、もうこの年齢になれば速い時計は必要ないといったところでしょう。順調には動けていますし、1週前追い切りを含めて気になるようなところはありません。逆に言えば、フレッシュな魅力はないものの、安定して走るんだろうなという想像はできます。
ヤマカツエースはこの年齢になれば速い時計は必要ない(2月28日撮影)
【フィリーズR/アンコールプリュ】
友道康夫厩舎の牝馬といえば、ヴィルシーナやヴィブロスといったG1ホースがいて、3歳クラシックでも十分に上位争いできる馬ばかり。2戦2勝の本馬もそうだと思いますが、これまでの牝馬とちょっと違うのはフィリーズRを使ってきたということ。もちろん桜花賞への出走権を得るためにどのレースを選択するかというところでしょうが、それ以外にもこの馬自身の特徴もありそうです。
というのは、どちらかといえば短距離。気持ちが乗りすぎるからこの距離という感じがしていますが、最終追い切りをCWで4Fの距離に短縮したことがそれを示しています。4F53.1〜3F38.0〜1F12.0秒。数字はまとまっていますし、折り合いを欠いた内容でもありません。調整は抜かりなく、ここは最有力候補だと思いますが、この調整で結果が出ると、今度距離が延びた時にどうなんだろうという懸念はあります。が、それはここでの予想としては関係ないですよね(笑)。
調整は抜かりないアンコールプリュ(写真奥・3月7日撮影)
【フィリーズR/アンヴァル】
福島2歳Sの後はすぐにここへ照準を定めてきました。レース間隔があいているという意味では2歳500万下の時と同じですが、調教パターンとしてはその時と同じ栗東坂路で本数を積んで、最終追い切りはCW。今回も全く同じです。
その時よりも調教内容として負荷が強い今回。坂路での時計もそうですし、最終追い切りCWでの6F時計もそう。併せ馬では遅れましたが、これは500万下1着時も同じ。それよりも時計が6F80.2秒と速いところがポイントで、この馬自身がターゲットにしているレースがどこかということを示す数字といってもよいでしょう。
アンヴァルは時計が6F80.2秒と速いところがポイント(写真奥・3月7日撮影)
◆次走要注意
・3/4 弥生賞【オブセッション】(3人7着)
パドックでその馬体を確認した時にすごくいい馬という印象。しかし舌を出しながら、辺りをキョロキョロ見渡して、まるでスッとぼけたような周回。上位4頭がみな気合十分に周回する様子とは真逆でした。
これで勝つようなら日本ダービーもこの馬と思いましたが、まだ若さがあるということでしょう。最終追い切りでも舌を出しながら走っていたように、このあたりがなくなることが重要。次の追い切りではここを確認したいですね。
[メモ登録用コメント] [東京]最終追い切りで舌を出さずに走れているかどうか
◆今週の追い切り特報
・ポラリスS【ゴーインググレート】
岩元市三厩舎から北出成人厩舎へと転厩しましたが、担当者は同じ。その話を聞いていると、近走不振ということもあって、調整方法を少し変えたようです。その効果なのか、7日のCWは素晴らしい動き。あの感じなら、5走前にオープン特別で2着した時くらいのパフォーマンスは期待してもよいはず。
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