◆芝1200m重賞は別の方向性の能力が要求されている 直線で「速い上がり」を出せる馬にも
・道中も速いペースで追走して、直線で速い上がりを使うタイプ
・道中はゆったりと追走して、直線で速い上がりを使うタイプ
と大きく分けることができます。
「道中も速いペースで追走して直線で速い上がりを使うタイプ」の方が強そうにも思えますが、道中も速いペースで追走するのが得意なタイプは、
・距離が保たない(短距離限定)
・より高い次元の末脚の伸びは「ゆったり追走」が得意なタイプには負ける
という短所も併せ持ちます。
2016年以降の芝1200m重賞は、父ミスタープロスペクター系の勝ち星占拠率(シェア)が39%。
一方、日本の主流系統父サンデーサイレンス系の勝ち星シェアは23%。父ノーザンダンサー系の勝ち星シェア27%をも下回る成績。昨年の芝G1レースも高松宮記念は1〜3着が父ミスプロ系。そしてスプリンターズSも1〜3着を父ミスプロ系が独占。出走比率は父サンデーサイレンス系が最多の33%。にもかかわらず、父ミスプロ系の方が勝ち星シェアが優秀なのは、父ミスプロ系の方が芝1200m重賞適性に長けたタイプを出しやすいから。
つまり、芝1200m重賞は日本の主流適性とは「別の方向性の能力」が要求されていると考えられます。
「別の方向性」の能力とは、先に書いたように「道中を速いペースで追走する能力」のこと。日本の芝は「ゆったり追走する能力」が重要ですが、芝1200mの場合は「速いペースで追走する能力」を併せ持つことが重要。
高松宮記念も父ミスプロ系が得意とする「道中の追走能力」がまずは、重要。その中では「直線の伸び」に長けたタイプが合いそう。血統的には父がミスプロ系。母系は芝中距離でも「速い上がり」を出す「伸び」をサポートする配合がベターではないでしょうか。
レッドファルクスは、父がミスプロ系のスウェプトオーヴァーボード。母父はサンデーサイレンス。近親に芝マイルG1勝ち馬で芝2000m重賞の勝利実績、天皇賞秋4着の実績も残したスティンガー。同系のサウスヴィグラス産駒に比べると、ダート短距離で先行するような適性は劣りますが、その能力が削がれている分、芝の伸びに長けた血統。
同様のタイプがダンスディレクター。こちらも父はミスプロ系。母系にサンデーサイレンス。近親にダービー馬のウイニングチケット。加齢とともに、父の筋力が強化されて、テンの3ハロンを34秒台で追走するような競馬に対応できるようになったことも、当レースにはフィットするでしょう。
今週末の日曜は先週まで以上に速い上がりが出せると読んでいますが、想定以上に持続力が重要な馬場になった場合は、サンデーの血を持たないことがより有利に。ブリザードは、日本の主流適性の要素が要求されない馬場になるほど有利。なお、先週までの中京芝1200mは、持続力重視の馬場で父ノーザンダンサー系が穴を連発しました。
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