▲名勝負を主戦のふたり(左・石神深一騎手、右・林満明騎手)が豪華レース回顧
絶対王者を破るために――ベテラン・林騎手は大勝負を仕掛けた。“歴史的名勝負”と称される昨年の中山大障害。やや遅れ気味のスタートから、アップトゥデイトは芦毛の雄大な馬体で悠々加速し、後続との差はあっという間に10馬身以上。林騎手の意を決した大逃げ策だった。
来たる4月14日(土)中山競馬場、中山グランドジャンプ(J-GI)で再び2頭が対決する。大注目の一戦を前に、主戦同士の対談が実現(全4回掲載)。作戦通りに進めた林騎手、大逃げを目の当たりにした石神騎手、そして運命のゴール前…。その時その時の主役の心中はどうだったのか。感動の4分半、中山大障害をもう一度!
(取材・文:不破由妃子)
【障害レース特集】
中山GJへのカウントダウン!『障害レース特集』と題しまして、本対談の後には、豪華21名の障害ジョッキーたちが登場。感動、スゴ技、ハプニング…などなど「これだけは絶対に見るべき!」というレースを、中山GJの10日前からカウントダウン形式で日替わりで発表していきます。お楽しみに!
アップトゥデイトの出遅れは石神騎手の作戦通り!?
──昨年の中山大障害は、歴史的名勝負となりましたね。
林 たしか競馬週刊誌に載っていた2017年のベストレースで3位だったかな。
石神 3位ですか! 障害レースが上位に入るなんてなかなかないですよねぇ。
林 しかも、オジュウは年度代表馬の投票でも何票か入ったんでしょ?
石神 はい、3票入りました。
林 すげーな(笑)。
──さっそくですが、「あの感動をもう一度」ということでですね、改めてレース映像を観ながら、おふたりにレースを回顧していただきたいと思っております。
▲最後の直線、粘るアップトゥデイト(左)を捕らえきったオジュウチョウサン(右) (撮影:下野雄規)
林 また負けたところを見るのか…(苦笑)。
石神 僕は何度でも見たいですけどね!
(レース映像がスタート)
林 本当はゲートから行くつもりだったんだけど、出負けしちゃって…。
石神 そうそう、林さん、出遅れるんだもん。もう…(苦笑)。
林 (隣の)オジュウがゲートで暴れてたからだよ!
石神 アハハハ! 実はそれも作戦だったりして(笑)。林さん、このあたり(1週目の1、2コーナー中間の障害を飛んだあたり)で速いなとは思わなかったんですか?
林 ずっと思ってたよ。でもペースを落とすわけにはいかなかったから。