地方所属馬の意地を見せる時
2月の当欄で、シルクホースクラブのプロミストリープが、2戦2勝で南関東に移籍した話題を書きました。そのプロミストリープは、3月21日に浦和競馬場で行われた桜花賞に出走しました。浦和マイルの1番枠は有利と言われる反面、JRA時からスタートがそれほど良くないプロミストリープにとっては、内枠が仇となって揉まれ込む恐れがあり、それを心配する声もありました。
実際、出負けしてスタートダッシュに失敗し、中団の内で辛抱せざるを得ない状況に。スローペースで流れたこともあり、なかなか外に持ち出すこともできず、ようやく外に出せたのは4コーナーから直線に入る時でした。浦和コースは直線が約200mしかないだけに、絶体絶命に思われたものの、エンジンが掛かるとその末脚は次元が違い、最終的には2着に逃げ粘ったアンジュキッスに1馬身半差をつけて、一冠を手にしました。
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2着のアンジュキッスに1馬身半差をつけたプロミストリープ(撮影:武田明彦)
JRAで無敗の実力馬の力を見せつけた形となりましたが、思ったよりも苦戦した印象もあります。誰もがJRAでの実績から断然だと思っていたでしょうし、1番枠を引いた段階でその思いを強く持たれた人も多かったと感じます。単勝配当が130円だったことが、それを物語っていると思いますが、着差以上に強かったとはいえ、そう簡単に勝たせてはもらえなかった点は、純然たる地方馬たちの意地を見た印象もあります。
こういった移籍馬の活躍があると、決まって出てくる声は、「少なくとも1度は地元戦を使ってからでないと、今まで地方でやってきたレースの意味がない」というものです。今年も