▲戸崎騎手が約2年ぶりにGIを勝利(撮影:下野雄規)
ダノンプレミアムの回避により、大混戦となった牡馬クラシック1冠目の皐月賞。勝利したのは展開をキッチリと読み切ったエポカドーロで、哲三氏は戸崎騎手が見せたスピードを殺さない“繊細な騎乗”を評価。さらに見せ場十分の競馬をした藤岡佑介騎手、田辺騎手、国分恭介騎手の騎乗意図を解説するほか、1番人気で7着に敗れたワグネリアン×福永騎手のコンビに対し、ダービーでの挽回に期待を込め、具体的な進言とエールを送ります。(構成:不破由妃子)
一番力を出し切れたのはジェネラーレウーノ×田辺騎手
ダノンプレミアムの回避により、混戦と化した皐月賞。前半1000m通過が59秒2という速い流れのなか、スピードに勝る馬たちがしっかり結果を出してきました。上がりの掛かる展開だったとはいえ、差し馬には不向きな馬場状態ではありましたが、勝負の分かれ目となったのは、ポジショニングを問わず「いかに流れに乗れたか」。臨機応変な対応が求められた、そんな皐月賞だったように思います。
■4月15日 皐月賞(7番:エポカドーロ)
直線、馬場の真ん中を堂々と抜け出してきたのが、戸崎君騎乗のエポカドーロ。アイトーン、ジェネラーレウーノ、ジュンヴァルロが三つ巴で引っ張る展開になりましたが、戸崎君は離れた4番手で流れに乗り、最後までスピードを殺さない繊細な競馬ができていたと思います。もともとスピードがあって流れに乗せやすい馬ではありますが、ブレーキングの少ない騎乗でその武器を引き出すのも技術。GIに合わせてしっかり馬を作ってきた厩舎力も感じましたし、おそらく調教師との作戦通りに競馬を進められたのではないでしょうか。
また、先週の桜花賞は、自身がシンザン記念を勝たせたアーモンドアイが勝利するという、ジョッキーとしては悔しい結果に。その翌週にしっかり結果を出したあたりは、ファインプレーといってもいいかもしれませんね。
▲「悔しさの翌週に結果を出すあたりがファインプレー」 (撮影:下野雄規)
2着は佑介騎乗のサンリヴァル。これもまた、非常に価値のある騎乗でした。流れに乗せるということは