東京ダービー(6月8日　大井　サラ3歳　定量　南関東G1　2000m)
◎シーチャリオット　　(56・内田博)
○メイプルエイト　　　(56・張田)
▲マズルブラスト　　　(56・今野)
△トウケイファイヤー　(56・有年)
△エフケータイガー　　(56・酒井)
△キョウエイペガサス　(56・山田信)
△サウンドイモン　　　(56・坂井)

　先週土曜日の東京「ユニコーンS」。カネヒキリは風評通りの強さだった。1000m通過59.1秒のハイペースを楽々と追走し、GOサインからの反応も素晴らしい。これでダート4戦負け知らず。圧倒的なパワーはもちろん、レースへの集中力、競馬センス、むしろ内面に非凡なものが感じられる。最後1.1/2馬身差はさして派手でもなかったが、アグネスジェダイ、ドンクールと相手の能力もかなり高いということか。ただし、1600m・1分36秒5は同日古馬1000万(36.8秒)との比較で水準レベル。今日の数字だけを取るなら、まったく歯が立たない「怪物」でもない。

　当日、弊紙・日刊競馬のコラム「血が駆ける」で、山野浩一氏が書かれていた。「今年の3歳ダート戦線は面白い。中央、地方双方に次々強い馬が出現し、このレースと東京ダービーが準決勝。ジャパンダートダービーで最終的なチャンピオンが決定する―」。まさしくしかり。今年の状況は交流重賞へ向けて最高のストーリーが用意された。わくわくする。シーチャリオットが「準決勝」を、どんなパフォーマンスで通過するか。ただ、馬券的にはほとんど狂う余地がないだろう。

　羽田盃を逃げて2着のメイプルエイトは、カコイーシーズ産駒らしいしたたかさを備え、本来自在の競馬ができる。逆に羽田盃、出遅れを追い上げたマズルブラスト、この2、3着の入れ替わりがあるかどうか。△のうち、エフケータイガー、キョウエイペガサスに色気があるが、正直2頭とも展開の助けが欲しい。シーチャリオットに関して言えば、思い切った逃げを打つ馬が現れ、少しペースが上がってくれると好都合か。JRA馬参戦の本番は流れも当然厳しくなる。準決勝でいい経験を積んでおきたい。

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　6月1日船橋「マリーンC」。4歳・トーセンジョウオーが鮮やかな復活を遂げた。雨上がりの軽い馬場。逃げるオルレアンの3番手を好気合で進み、直線を向いて早めに先頭。グラッブユアハートの追撃を首差凌いだ。得意の夏場を迎え体調が上向いたこと。初のブリンカーが効果てきめんだったこと。それにしても昨年の関東オークス(当時・蛯名騎手騎乗)を制したあと、丸1年、まったく精彩を欠いていた。「久々にコンビを組み、いい時ののイメージで乗りました。スローをうまく動けたことが勝因でしょう」(後藤騎手)。改めて競馬はつくづく難しい。牝馬はなおさらとは正直思う。

　マリーンC(サラ3歳上牝　別定　1600m重)

　(1)トーセンジョウオー　(55・後藤)　　1分38秒7
△(2)グラッブユアハート　(55・安藤勝)　首
▲(3)レマーズガール　　　(56・武豊)　　3
△(4)エターナルハピネス　(54・今野)　　首
△(5)オルレアン　　　　　(54・藤田)　　首
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◎(6)ジターナフォンテン　(54・張田)
○(9)プルザトリガー　　　(56・内田博)

単3540円　馬複6780円　馬単25880円
3連複4920円　3連単72270円

　トーセンジョウオーは、昨夏関東オークスを4コーナー先頭の正攻法で制している。当時の相手がアクイレジア(JDダービー2着)。低レベルでは決してなく、今日の“世代交代"が、むしろ遅すぎたということだろう。ただし1600m・1分38秒7、同日「ふさの国オープン＝イシノファミリー」38秒3の比較から無条件では誉められず、レマーズガール以下、他馬の凡走という面があるかもしれない。再三書いたこと。レマーズ頂点の牝馬ヒエラルキーは、多分に低レベル、偏差値的な状況で成り立ってきた。この日うまく切れ味を活かしたグラッブユアハートともども、真の“女王"が現れない限り、勝ったり負けたりの状況がしばらく続く。

　期待したジターナフォンテン。道中4番手で絶好の位置取り。しかし、勝ち馬が動いた3コーナーでひと息反応が遅れてしまった。あくまで自分流の見方だが、ゴールイン後、先着馬を勢いよく抜き去った様子など、まだ脚は残っている。少なくとも牝馬同士、この路線なら十分なメドが立った。プルザトリガーはスタートで少しアオり、そのまま後方で凡走した。牝馬の難しさというしかないか。オルレアン、エターナルハピネスも善戦だが、スローの前々を進んだ展開からは、能力的にほぼ目いっぱいとみえた。