▲ジョッキーにも一目置かれている妹尾和也記者(馬サブロー)とダービー対談!
5月27日に迫る日本ダービー。佑介騎手は皐月賞2着のサンリヴァルで挑みます。「現段階での3歳勢力図は横並び」と分析する佑介騎手。馬券を楽しむのにもってこいな一戦となりそうです。そこで今月は“現役ジョッキー×現役トラックマン”のスペシャル対談を開催。馬サブローの妹尾和也記者をお招きし、皐月賞回顧とダービー展望をお届けします。本題に入る前に、妹尾記者とは何者なのか? 打った印で騎乗するジョッキーのモチベーションをも上げてしまうという、穴予想の極意に迫ります。(構成:不破由妃子)
「まさか四位さんまで…本当にありがたいです」
佑介 妹尾さん、今日はよろしくお願いします! こういった対談は初めてですか?
妹尾 そうですね。普段は内勤が中心なので、ジョッキーや関係者の方に取材をすること自体、ほとんどありませんから。
──そうですよね。今回は、佑介さんたってのご希望でこの対談が実現したわけですが、まずは佑介さんから、妹尾さんをご指名された理由をお話いただけますか?
佑介 もう7〜8年前になりますけど、ジョッキーのあいだで「妹尾さんていうすごい記者がいる!」って話題になったんです。当時現役だった(藤田)伸二さんとかも、「そんなにすごいヤツがいるんか!」みたいに興味を持ち始めたりして。とにかく誰も印を打っていないような馬に重い印を打って、その馬がまた走るんですよね。もうね、妹尾さんには興味しかありませんよ(笑)。
妹尾 偉大な記者さんがたくさんいるなかで、なんだか恐縮です…(苦笑)。
佑介 ジョッキー自身が「今回はチャンスがないな」と思っていたり、テン乗りで情報が不足していたりしても、その馬に妹尾さんが◎を打っているとノーチャンスじゃないなって思えるというか、妙にモチベーションが上がるんです(笑)。先週もジョッキールームで妹尾さんの話になったときに、「そういえば来週、妹尾さんと対談するんだ」って話したら、みんな矢継ぎ早に「あれ聞いてみて!」「これ聞いといて!」って言い出して(笑)。みんなホントに興味津々なんですよ。妹尾さんご自身も、ある程度は(話題になっていることを)ご存知ですよね?
妹尾 先輩記者のコラムにちょこっと書いてあったのを読んだことはありますが、まさかそんなことになっているとは…(苦笑)。そもそも、騎手の方が僕らの予想印まで見ているという認識があまりなかったです。
佑介 僕は競馬場にいるとき、基本的に馬サブローを見ているんです。36レースが順番に並んでいて、見やすいですからね。だから、自分が乗っている馬を中心に、妹尾さんの印は毎レースチェックしてます。たしか、先週(4月21日、22日)もけっこう当たってましたよね? それでジョッキールームで妹尾さんの話になったんですけど、そのときに四位さんがふらりと現れて、「彼はよう競馬を見てるわ」って言ってましたよ。
妹尾 まさか四位さんまで…。本当にありがたいです。
佑介 ある若手ジョッキーなんて、「エージェントをやってほしい!」って言ってたくらい(笑)。そっち方面に興味はありませんか?
妹尾 いやぁ、興味がないわけではありませんが、自分はコミュニケーション能力に欠けているような気がしているので…(苦笑)。それにしても、僕自身としては、噂が独り歩きしているように思えてならないです。
──いえいえ、競馬ですから、すべて“結果”という証拠があっての話ですからね。同僚の記者の方によると、とにかく妹尾さんは着眼点が人とは違って、なおかつ総合力が優れていると。予想のベースとなるもの、あるいは組み立て方など教えていただけますか?
妹尾 予想のスタイルとしては、もちろん能力がベースにあるんですが、そのほかにも血統、調教、舞台適性、展開など、いろんな要素を全部見ます。そのうえで、この馬とこの馬、どっちが強いかという組み立て方をするのではなく、1頭の馬に対してどれだけ変わる可能性があるのかを見るんです。だから結果的に……