≪2歳≫
●アドマイヤジャスタ(牡 栗東・須貝尚介 父ジャスタウェイ、母アドマイヤテレサ)
2016年のセレクトセール当歳で落札価格1億4000万円(税抜)。コーフィールドC(豪G1)、ダイヤモンドS(GIII)を制したアドマイヤラクティの4分の3弟で、父はハーツクライからその息子ジャスタウェイに替わった。母アドマイヤテレサは阪神牝馬S(GII)4着馬。母の父エリシオは凱旋門賞(仏G1・芝2400m)を、2代母の父CaveatはベルモントS(米G1・ダ12f)を勝ったスタミナ豊富な血で、この影響でアドマイヤラクティはステイヤーとなったが、本馬の父ジャスタウェイはハーツクライほどの長距離適性はないと思われるので、芝向きの中距離タイプとなるだろう。ジャスタウェイの初年度産駒のなかでも高い評価を受けている1頭なので、確実に走ってきそうだ。
●ソルドラード(牡 美浦・藤沢和雄 父ロードカナロア、母ラドラーダ)
キャロットクラブで募集価格1億4000万円。日本ダービー馬レイデオロの4分の3弟。母ラドラーダはノーザンファームが所有する最も重要な繁殖牝馬の1頭で、牝系はレディブロンドを経てウインドインハーヘア(ディープインパクトとブラックタイドの母)にさかのぼる。レディブロンドの子と孫は、現時点で7頭がデビューしてすべて勝ち上がり、2頭がGI/JpnIを勝っている。本馬はサンデーサイレンスを持っていないが、それで問題ないことは4分の3兄レイデオロが証明している。日本で作ることができる非サンデー血統の最高峰といえる存在だろう。レイデオロの配合に、レディブラッサム(ロードカナロアの母)が加わる形となるが、Storm CatとSeeking the Goldは相性が良く、また、ディープインパクトとStorm Catのニックスを考えると、Storm Catとウインドインハーヘア牝系の相性も決して悪くないはず。芝向きのマイラー。
●ホーリーホライズン(牝 美浦・奥村武 父ヘニーヒューズ、母ホーリーブラウン)
父ヘニーヒューズは馬力型のスピードを伝えるStorm Cat系種牡馬で、現3歳世代はJRAで45勝を挙げている。これはディープインパクト、ロードカナロア、ハーツクライに次ぐ第4位で、ルーラーシップ、キングカメハメハ、ダイワメジャーを上回っている。「母の父フジキセキ」が最も成功しており、ドンフォルティス(17年北海道2歳優駿-Jpn3、17年全日本2歳優駿-JpnI・2着)、プロミストリープ(18年浦和桜花賞)が出現している。ヘニーヒューズの母Meadow Flyerが持つEight Thirty≒War Relic 4×5を強化することが配合上の大きなポイントで、アメリカ時代の代表産駒Beholderや、日本でGIを勝ったマル外のアジアエクスプレス、モーニンはこのパターンに当てはまる配合だった。フジキセキは2代母In RealityがWar Relic 3×3なので前記の条件に合致しており、これがヘニーヒューズとフジキセキの好相性を支えているのだと思われる。本馬は「ヘニーヒューズ×フジキセキ」。ドンフォルティスやプロミストリープ級の活躍を期待したい。
●ラインハルト(牡 美浦・金成貴史 父ゴールドアリュール、母フラーテイシャスミス)
マル外として日本に入り、マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)2連覇など5つのダート重賞を制したベストウォーリアの半弟。父はマジェスティックウォリアーからゴールドアリュールに替わった。母方にMr.ProspectorとRobertoを併せ持つゴールドアリュール産駒にはコパノリッキー(14、15年にフェブラリーS-GIを2連覇するなどダートGI/JpnIを11勝)、オーロマイスター(10年マイルチャンピオンシップ南部杯-JpnI)、サンライズノヴァ(17年ユニコーンS-GIII)、ランウェイワルツ(兵庫CS-JpnII・2着、みやこS-GIII・2着)などがいる。GI馬の半弟という血統的背景、そして配合的にも優れているので期待できる。ダート中距離で大仕事をしそうな雰囲気を漂わせている。
●ロードゼウス(牡 栗東・中内田充正 父ディープインパクト、母スピニングワイルドキャット)
ロードサラブレッドオーナーズで募集価格7560万円。もみじS(OP)を勝ったダノンスマッシュ(父ロードカナロア)の半弟。母スピニングワイルドキャットはブリーダーズCマイル(米G1・芝8f)を勝ったWar Chantの4分の3妹で、2代母Hollywood Wildcatは米3歳牝馬チャンピオンに輝いた名牝。母の父ハードスパンは「Danzig+Alydar」なので、サトノダイヤモンドに入るLure、ジェンティルドンナとドナウブルーに入るBertoliniと似る。母方にDanzig、Mr.Prospector、Robertoを抱えたディープインパクト産駒なので同じケイアイファーム生産・中内田厩舎に所属するダノンプレミアム(17年朝日杯FS-GIなど重賞3勝)とも似る。仕上がりが早くスピード面も優れているので、早くから頭角を現し、重賞戦線で活躍できるだろう。