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馬上結婚式を行いたいカップル募集中

  • 2018年05月16日(水) 18時00分


レアで絵になる結婚式、でもお金はかからない


 来る7月28日、29日の土日2日間にわたり、浦河町で開催される「うらかわ馬フェスタ2018」。このほど役員会が開催され、少しずつ概要が明らかになってきた。

 これは「シンザンフェスティバル」と「浦河競馬祭」が合体した馬イベントで、28日土曜日夕刻から始まり、翌日午後までたっぷりと馬にちなんだ様々な行事を楽しんで頂こうと今年も内容が盛りだくさんとなっている。

 そこで今回は、まず土曜日のメイン行事である「馬上結婚式カップル募集」について触れたい。今年で数えて33回目を迎えるシンザンフェスティバルでは、第1回より毎年欠かさず2、3組のカップルを招待し、馬上結婚式を挙行してきた。

 これは広く一般に公募し、申し込みのあったカップルを選考委員会にて審議し、当日、浦河町までお越し頂いて、会場に集まった多くの方々の前で結婚式を挙げてもらおうというものだ。会場へはJRA日高育成牧場の後援の下、儀仗馬車で入場する。

馬上結婚式儀仗馬車で会場入り

馬上結婚式、儀仗馬車で会場入り

 いかなる馬産地といえども実際に目にするのはこの日だけのことで、普段は育成牧場内の格納庫に大切に保管されているレアな馬車だ。それに先導の騎馬隊が付き、うす暗くなりかけた夕方、ライトを浴びての入場はひじょうに絵になる光景ではある。

 その後は、舞台上でフェスティバル実行委員会からの結婚認定証、記念品贈呈や指輪交換などが行なわれ、最後は2組のカップルによる「愛のトーチ」点火で幕を閉じる。

 この結婚式の最大の「売り」は、費用をフェスティバル実行委員会で負担するということ。道外の方ならばお2人で10万円、道内の方ならば実費相当分を交通費として実行委員会が持つ。さらに、それに加えて、当日の宿泊費やカップルの衣装代も実行委員会で負担する。つまり、「お金をかけずに結婚式を挙げられる」イベントなのである。

 過去、競馬ブームと言われていた平成初期の頃には、かなりの数の応募が寄せられた。選考委員会も苦慮するほどの多数の応募があり、選ぶのが大変というような嬉しい悲鳴が上がる時代もあったらしい。

 しかし、近年は、その数もぐんぐん少なくなり、ここ数年は「かなり合格率が高い」状態になってきている。

 応募資格は、概ね次のような項目である。

1:結婚する予定もしくはすでに結婚していること。

2:妊娠していないこと(儀仗馬車に乗り込むので万が一のことが発生しないように、との配慮である)

3:馬、もしくは競馬にご理解のある方、といったところであろうか。

 特に、浦河町は古くから知られたサラブレッドの生産地であり、当地で生まれた5冠馬シンザンの名前を冠しているように、すべて「馬にこだわった」イベントとして開催される。できることなら、馬上結婚式のカップルもまた、競馬ファンや乗馬愛好者などであると申し分ない。

 以下に改めて募集要項を記しておく。

1:お申し込みは郵送で。氏名(ふりがな)、年齢、職業、電話番号、プロフィール、応募理由(お2人の馴れ初めや馬、競馬とのエピソードなど)を明記した上で写真(全身の写っているものが望ましい)を添えて申し込むこと。必要事項の書式は自由。

2:応募先 057-0036北海道浦河郡浦河町築地1-3-1 浦河町役場内
シンザンフェスティバル実行委員会「馬上結婚式」係あて。問い合わせは電話0146-22-9016(直通)、担当・小原、眞田(さなだ)

3:応募の締め切り 6月20日(水)必着

 なお、昨年の例では、馬上結婚式を挙げたカップルに、京都競馬場からエリザベス女王杯当日、指定席に招待して頂く「特典」もあった。また、1月のシンザン記念では、ゴンドラ席への招待も実現した。もちろん現地までは自己負担で行って頂くことになるわけだが、本州、とりわけ東海、近畿、北陸あたりにお住まいのカップルならば、大きな魅力になるかも知れない。

 最後に、こっそりと「当選」を勝ちとるためのアドバイスを記しておく。まず、できるだけフレッシュな男女であること。今の時代、結婚適齢期はあってないようなものだが、著しい年齢差だったり、熟年同士の再婚カップルというのはあまり有利ではない。

 そして、できるだけ応募理由には「馬、競馬への思いを正直に熱く記す」のがポイントである。

 当たればラッキー、ダメモトで応募してみる、という姿勢では、選考委員会で落とされる公算が高い。

 また入籍してから間もないことや、様々な理由により他の場所で結婚式を挙げる予定がない、というカップルだと俄然注目度が上昇する。「それならば、ここで何とか思い出に残る結婚式を挙げて頂きたい」と選考委員会の面々が考えてくれたらしめたものだ。

 なお、改めて言うまでもないが、貸衣装の都合もあり、できるだけ標準的な体型のカップルが望ましい。必ずしも美男美女である必要はないが、片方だけ異様に体重があったり、身長が高すぎたり低すぎたりというのもポイントになる。儀仗馬車で入場する際に「絵になる」微笑ましいカップルであることが理想だ。

 今年、結婚を考えている競馬ファンのカップルはぜひご応募頂きたい。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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