不安なく乗れてすごい馬 by矢野貴之騎手
中央から南関東に来たリッカルド(美浦・黒岩陽一厩舎⇒船橋・佐藤裕太厩舎)の勢いが止まりません!3月19日のリスタートでもご紹介しましたが、それ以降も活躍を続け、報知グランプリカップ(船橋・1800m)を皮切りに、フジノウェーブ記念(大井・1400m)、ブリリアントカップ(大井・2000m)、大井記念(大井・2000m)と、負けなしの重賞4連勝中です。
これで南関東負けなしの4連勝
現在は船橋競馬場のダート1本で仕上げられ、状態は高いレベルで維持できているそうです。騎手時代にアジュディミツオーやフリオーソなどの調教パートナーだった佐藤裕太調教師が調教をつけ、担当はアブクマポーロなどを手掛けた大ベテランの楠新二厩務員。レースでコンビを組むのは、フジノウェーブの調教パートナーの一人だった矢野貴之騎手。地方競馬希代の名馬を育ててきた面々が関わっています。
5月23日に大井競馬場で行われた大井記念は63回目を迎えた伝統の一戦で、今年から南関東S1に格上げされました。そんな記念すべきレースに、リッカルドは1番人気での出走。道中は5番手から進め、勝負所では持ったままの抜群の手応えで、最後の直線では他馬をあっという間に抜き去り、2着のサブノクロヒョウに3馬身差をつける圧勝でした。
S1レースに格上げされた大井記念は、矢野貴之騎手を背に2着馬に3馬身差をつける圧勝
矢野騎手にリッカルドのことを聞いてみました。
「この馬は距離をわかっているのかな?って。距離が1400mの時は楽に2番手に行けてハナでも取り切れるくらいでしたが、距離が2000mの前回と今回は、自分からは行かないんですよ。この位置で走りたいなら、ここでいいかなって感じで乗っていました。
前回はいきなりの距離延長だったので、向正面では少し行きたがるところもありましたが、今回は前回と同じ距離だったので、折り合いも大丈夫でした。勝負所になると手応えがちょっと違いましたし、抜け出し方もすごかったです。行け!っていう指示を出したら、ビュンって。
今までのイメージでは流れに乗せて長くいい脚を使えるタイプなのかなと思っていましたが、今回の抜け出し方を見ると、瞬発力も優れていますね。もっと我慢をさせた時にどのくらいの脚を使えるのか。今回でこの馬の別の一面を見ることができたし、今後はそういう競馬もやってみたいです。
この馬は賢くて対応力があって、乗ってからも精神的にブレがなくて常に安定しています。不安なく乗れる馬で、本当にすごいなぁと思います。これから相手が強くなっていっても、負けたくないですね」(矢野騎手)
リッカルドの普段の様子。調教パートナーは佐藤裕太調教師、担当は楠新二厩務員。ピンクは厩舎カラー
この後は馬のコンディションを見ながら、6月20日の京成盃グランドマイラーズ(船橋・1600m)か、6月27日の帝王賞(大井・2000m)を予定しているそうです。次回のリスタートでローテーションはお伝えできると思います。
洗い場でものんびりと、とても大人しくてお利口さんだそうです
6月6日は東京ダービー
日本ダービーは終わりましたが、地方競馬ではダービーシリーズと題して全国でダービーが行われていきます。南関東の東京ダービーは6月6日に大井競馬場で実施。
中央卒業生は、プロミストリープ(美浦・和田正一郎厩舎⇒大井・藤田輝信厩舎)、スプリングマン(美浦・黒岩陽一厩舎⇒浦和・小久保智厩舎)、ナムラバンザイ(栗東・目野哲也厩舎⇒船橋・稲益貴弘厩舎)が、現在のところは出走する賞金をクリアしています。
ダービーと冠したレースはどの地区のホースマンにとってもファンにとっても特別なもの。今年の東京ダービーもどんなドラマが生まれるのか待ち遠しいです。
次回は6月11日(月)にお会いしましょう!