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【日本ダービー】福永騎手の悲願達成に感動「魅せる競馬での勝利はかっこいい」

  • 2018年05月31日(木) 18時01分
哲三の眼

▲19度目の挑戦で福永騎手が悲願のダービー制覇 (撮影:下野雄規)


福永祐一騎手の悲願達成に沸いた今年の日本ダービー。鬼門とされていた外枠の発走から終始果敢なレース運びを見せ、最後の直線ではゴール寸前で逃げ粘るエポカドーロを半馬身差し切り、渾身のガッツポーズ。今回はジョッキーたちの勝ちたい気持ちが全面に見えたこのレースから、道中の福永騎手の心理を推察。さらにブラストワンピース騎乗の池添騎手とのハイレベルな攻防や、有力馬の敗因、影に隠れた好騎乗などを解説します。(構成:不破由妃子)

序盤からレースを支配「祐一君、やるやん!」


 先週のダービーでは、僕がずっと応援してきた祐一君が、19回目の挑戦で念願のタイトルを奪取。ウイニングランでは涙を見せていましたが、それだけ悔しい思いをたくさんしてきたということでしょう。皐月賞では少々苦言を呈しましたが、今回はスタートからゴールまで、「もったいない」と思わせる場面がひとつもなかった好騎乗。なるべくしてダービージョッキーになった、そんな騎乗だったように思います。

 勝因はいくつかあると思いますが、まず鬼門とされていた17番枠を引いたとき、僕はむしろチャンスだなと思いました。なぜなら、あれこれ考える必要がなくなったから。それは、ポジションを取りに行く行かないではなく、気持ち的にどこか開き直れる枠だと思うからです。実際に祐一君が開き直ったかどうかはわかりませんが、的を絞った組み立てが可能になったはずだし、スタートから“勝つためのポジション”をしっかり取りにいきましたからね。

 ダービーを勝ったことがない僕がこんなことをいうのはなんですが、その時点で「祐一君、やるやん!」とワクワクしました。

■5月27日 日本ダービー(17番:ワグネリアン)

 スタート後、一瞬馬が行きたがる素振りを見せましたが、2コーナーあたりで折り合い、そこからは上手くレースの流れに乗っていました。中距離戦において、この流れに乗るということはとても大事で、いったん流れに乗って折り合いをつけると揉まれにくくなり、むしろ周りが合わせてくれるというか、合わせるしかない状況になるんです。そういう状況を作り上げるまでが腕の見せどころだと僕は思っていて、その点、今回の祐一君は優位な状況を上手く作り上げていたと思います。

池添騎手とのハイレベルな攻防


 そして4コーナー。道中からの流れで、ここも祐一君が完全に支配しているように見えました。池添君(ブラストワンピース5着)は、

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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