▲TCKジョッキーによるリレー連載の第2回に、“大井のエース”御神本訓史騎手が登場!(撮影:榎本良平)
隔月連載『俺たちTCKジョッキーズ』。6月は、多くの騎手が「騎乗フォームがカッコイイ」と憧れる御神本訓史騎手(36歳)のインタビューを全3回にわたってお届けします。フジノウェーブで地方馬初のJBCスプリント制覇を遂げ、ここまで南関東重賞を30勝。2013年には南関東リーディングに輝いた御神本騎手ですが、彼の原点は日本海のすぐそばに位置し「日本一小さな競馬場」と呼ばれた益田競馬場でした。デビュー3カ月で益田版・宝塚記念を制覇し、2年目には地元リーディングに輝くなど、若くからその才能を発揮していた御神本騎手。しかし、デビューから3年4カ月で益田競馬は廃止になります。「寂しい」以外に抱いた気持ちとは。(取材・構成:大恵陽子)
地元・益田廃止にジョッキーとしての葛藤
――御神本騎手と言えばTCKのイメージが強いですが、デビューは島根県の益田競馬場でした。騎手になったきっかけを教えていただけますか?
御神本 父が競馬の仕事に就いていたので、環境がそうさせたんだと思います。父は騎手でしたが、体重が重たかったようで、28歳の時には調教師に転身したと聞きました。僕が生まれた時にはもう調教師で、厩舎に住んではいませんでしたが馬は身近な存在でした。僕らの時にはもうやっていなかったんですけど、益田競馬場は日本海がすごく近いので、昔は海岸で馬を調教していたっていうのを聞いたことがあります。
▲益田競馬場のパドック。左から3番目が御神本騎手(提供:斎藤修)
――1999年4月に益田でデビューし、わずか3カ月後には日本海特別をシリウスファイターで勝利し、重賞初制覇を遂げましたね。
御神本 素直に嬉しかったことはよく覚えています。でも、この時は何も分からない状態っていうか、まだまだ未熟な頃でした。父の管理する馬で、オーナーさんの厚意なども後押しして何とか勝たせていただきました。日本海特別は当時、賞金が一番高いレースでした。規模は全然違うんですが、中央競馬で言うとグランプリレースみたいな感じですね。年2回あるうちの7月に勝たせてもらったんで、宝塚記念に相当するような感じです。益田の感覚ではそのくらい大きなレースでした。
――デビュー2年目の2000年には益田リーディングに輝きました。
御神本 すごく周りのバックアップもありましたし、一生懸命がむしゃらにやっていたので、うまくそういうのが噛み合ったのかもしれません。本当に周りのサポートも大きくて、いい馬に乗せてもらったっていうのもあります。
▲デビュー2年目にしてリーディング騎手に「周りのサポートも大きくて、いい馬に乗せてもらったっていうのもあります」
――2002年6月にはサントゥールワンで益田優駿を制覇しましたが、その2カ月後に益田競馬が廃止されてしまいました。生まれ育った競馬場が廃止されてしまった当時のお気持ちはいかがでしたか?
御神本 “益田ダービー”は一生に一度しかなくて特別なレースでした。ちょうど益田が廃止になるっていう問題もあって、そのことと並行して益田優駿に挑むまでをNHKに取り上げていただきました。その後、廃止になってしまってすごく寂しい思いがありました。やっぱりね、ずっと愛着のある競馬場でしたし。でも、他の競馬場に移るっていう意味ではチャンスでもあったんで、そこを上手く切り替えるようにしていました。でも、本当に寂しいっていうか辛い気持ちがありましたね。
――TCKへの移籍はすぐに決まったのでしょうか?
御神本 水面下では話はあったんですが、当時は移籍がすごく少なかったので、難しい面がいろいろとありました。でも、主催者の方たちに協力していただいてTCKの小林分場にある三坂盛雄厩舎への移籍がやっと決まりました。
▲益田廃止後に最激戦区の大井に移籍、当時21歳
――「日本一小さな競馬場」と言われた益田競馬場から広いコースの大井競馬場へと主戦場が移ったことで何が一番変わりましたか?
御神本 益田競馬場は1周1000mほどの競馬場でしたから、コースの広さも違いましたが、多頭数のレースになかなか慣れることができませんでした。益田時代に招待レースで2回ほど大井競馬場に乗りにくることはあったんですが、多頭数のレースが最初の頃は対応するのが難しかったですね。
※次回の掲載は6月18日(月)18時予定です
6/27(水)帝王賞当日、大井競馬場に藤田ニコルさん、川栄李奈さん、吉谷彩子さんが来場!
▲(左から)TCKのイメージキャラクターを務める藤田ニコル、川栄李奈、吉谷彩子
6月27日(水)の帝王賞(JpnI)当日に、今年のイメージキャラクターの藤田ニコルさん、川栄李奈さん、吉谷彩子さんが来場します! 帝王賞の表彰式プレゼンターを務めていただくほか、トークショーにもご登場いただきます!
●実施日6月27日(水)
●トークショー時間:18時50分頃〜
場所:賞典台
●表彰式プレゼンター時間:20時10分頃〜
場所:賞典台
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