▲2007年6歳で競走馬を引退したスイープトウショウは今年17歳になった(提供:ノーザンファーム)
牡馬をねじ伏せた激走から13年、スイープトウショウのいま
上半期の競馬シーズンを締めくくる春のグランプリ宝塚記念。2005年は連覇を狙うタップダンスシチー、前年の年度代表馬ゼンノロブロイ、飛躍を狙うハーツクライなど、牡馬の強豪が顔を揃えた。レースは先行した1番人気タップダンスシチーが直線で失速、2番人気ゼンノロブロイは有馬記念以来の出走が影響したのか3着確保がやっと。そんな中、11番人気のスイープトウショウは、中団で折り合い、直線でスパートをかけると、外から追い込んできたハーツクライをクビ差抑え、牝馬として39年ぶりに宝塚記念制覇を成し遂げた。
2005年:宝塚記念 ▲池添謙一騎手とのコンビで数々のドラマを生み出した(C)netkeiba.com
通算24戦8勝、宝塚記念を含むGI3勝の輝かしい実績を残し、競走馬を引退。その後は、生まれ故郷のトウショウ牧場で繁殖牝馬生活を送っていたが、2015年10月に牧場が閉鎖。現在は安平町のノーザンファームに移動し、繁殖牝馬として穏やかに暮らしている。
「牧場では14時から朝7時まで放牧地にいます。牧草を食んだり、歩いたり、眠ったりして、のんびりと暮らしています。今年1月にドゥラメンテとの牝馬が誕生しました。今はキタサンブラックの仔を受胎していますよ。子育てはベタベタしすぎず、つかず離れずちょうど良い感じです。放牧地では目立つ存在ではありません。他の繁殖牝馬に対しては蹴散らすわけでもなく、馬同士で揉め事があっても我関せずのスタイルです。17歳と年齢も高いですし、馬に対してピリピリすることはありませんね」と話すのは、ノーザンファーム繁殖厩舎の岸川学厩舎長だ。