■宝塚記念(G1・阪神芝2200m内)フルゲート18頭/登録16頭
【特注データ】〜レースデータより〜 最速上がり馬が、トータル[6-5-0-0]とパーフェクト連対中である宝塚記念。となれば、前走でも速い上がりをマークしている馬が強い──とつい考えてしまいがちだが、実際はまるで違うので注意が必要だ。前走での最速上がり馬は[0-1-1-16]で連対率5.6%、複勝率11.1%と絶不調。連対例は、2011年2着のブエナビスタが最後である。
それとは対照的に、宝塚記念で文句なしに「買い」といえるのが、前走での上がり3F順位が4〜5位だった馬。過去10年で連対例がないのは2012年だけで、それ以外の年はすべてこの組が1着か2着に好走している。しかも素晴らしいのが、人気薄での激走例が非常に多いという点。それでいてトータル[8-3-0-18]で連対率37.9%と、信頼度が非常に高いのだ。
なかでも優秀なのが「距離短縮組」と「前走3番人気以内馬」で、この条件を満たす馬であれば信頼度や爆発力はさらにアップ。ちなみに、今年の登録馬で「前走上がり3F順位が4〜5位」であるのは、サイモンラムセスとパフォーマプロミスの2頭だけだ。前者は距離短縮組で、後者は距離短縮組かつ前走3番人気以内と、いずれも信頼度の高いパターンに該当。文句なしに「特注」といえる存在である。
【コース総論】阪神芝2200m内 Bコース使用
※今回は阪神の芝2000m内と2200m内の2コースを集計対象としています
・コースの要所!
★1番人気など人気サイドの勝率が高いコース。穴なら7〜9番人気が狙い目。
★枠番による有利・不利が非常に小さい。内枠がほんの少しだけ有利かも。
★先行勢の強さが目立つコースだが、最速上がり馬の強さもかなりのもの。
阪神芝2200m内だけではデータ母数が心もとないので、今回は同じ内回りの中距離戦である芝2000m内も対象に含めさせていただいた。データの精度が落ちてしまうのは致し方ないが、いずれもスタンド前からの発走でスタートの位置が違うだけと、コース形態にはほとんど差がない。おそらく、大きな問題はないと思われる。
まずは人気別だが、1番人気を筆頭に人気サイドの勝率が高め。63レース中で1番人気が20勝、3番人気以内が40勝をあげているのだから、人気馬の信頼度はけっこう高いといえる。穴では7〜9番人気が好内容で、勝利数は12回と、なんと4〜6番人気よりも上。単勝適正回収値は170.9という高さで、狙ってみる価値が十分にある。
驚いたのが枠番データだ。もっと内外で成績差が出ると思ったのだが、実際はほとんど横並び。外枠である馬番13〜16番は、枠番値こそマイナス圏も勝率と連対率はともにトップで、これを割り引く必要はなさそうだ。内枠である馬番1〜4番がもっとも内容的に優秀ではあるが、ご覧のとおり本当に微差。これなら、枠番を気にかける必要はない。
最後に脚質面だが、こちらは逃げ〜先行勢の強さが目立っている。このあたりは、最後の直線が短い内回りコースであることが大きく影響していそうだ。ただし、最速上がり馬だけは[9-4-1-10]で勝率37.5%、連対率54.2%と非常に優秀で、買う価値は大いにあり。前々で流れに乗れる馬、もしくは最速上がりを繰り出せそうな馬の「二本立て」で、取捨選択を行うべきだろう。
【レース総論】宝塚記念(G1) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気の勝率は低いが複勝率は高め。中穴の好走率もかなり高いレース。
★勝率が高いのは外で2〜3着が多いのは内とハッキリ。レースデータ重視で。
★先行有利だがコースデータよりは差せる。最速上がり馬は鬼のような強さ。
★前走での人気にレース結果が直結。G1らしく、継続騎乗組の強さも目立つ。
レースの平均配当は、単勝1269円、馬連4626円、3連複2万5657円と標準レベル。もっと荒れている印象だったのだが、1番人気は[2-4-2-2]で複勝率80.0%と高確率で馬券に絡んでおり、人気サイドの信頼度も相応に高い。妙味があるのは4〜6番人気や7〜9番人気などの中穴ゾーンで、単勝適正回収値の高さを考えると、ここを1着で狙う馬券が面白そう。大荒れはないがチョイ荒れは多いレースといえる。
少頭数で開催されることが多いのもあって、難しかったのが枠番データ分析。通常のデータでは、内枠の優秀さが目立つ程度だ。注目したいのが「ひとケタ人気馬」に限定したほうのデータで、1着馬が真ん中よりも外に、2〜3着馬が真ん中よりも内に集中しているのが見てとれるはず。単なる偏りとは思えないので、これはこの時期の馬場や、宝塚記念というレース特有の現象だと思われる。
脚質面は、コースデータと同様の傾向。G1だけあって中団待機組がコースデータよりも強くなっているが、それでも先行勢のほうが信頼度は高い。最速上がり馬が猛烈に強いのもコースデータと同じで、過去10年[6-5-0-0]とパーフェクト連対中。先行勢に軸足を置きつつ、最速上がりを繰り出せそうな馬はしっかり押さえるというスタンスで、馬券を組み立てるのが望ましい。
馬券の対象を絞り込みやすいところでは、前走人気も重視したいファクター。前走3番人気以内馬がトータル[9-6-6-47]で連対率22.1%、複勝率30.9%と強く、前走で人気薄だった馬が巻き返してくるケースは意外に少ない。あとは、G1らしく「継続騎乗>乗り替わり」の傾向が強いことや、牝馬が[1-3-4-9]で複勝率47.1%と非常に強いのも、宝塚記念の攻略に繋がるポイントである。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Bコース継続。どんどん高速馬場化が進んでいる点は必ず考慮したい。
・天候予測
週末にかけて天候が下り坂。日曜日は雨になる可能性が高そうな雰囲気。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ステイゴールド産駒▲、ルーラーシップ産駒△
先週驚かされたのが、日曜日の阪神メインだった米子S。ハイペースで逃げたベステンダンクがそのまま押し切り、1分31秒9というとんでもない時計が出ている。開催終盤になってどんどん高速馬場化が進んでいる印象で、来週もかなり速い時計が出ておかしくないはず。ただし、天候は下り坂で、道悪での競馬となる可能性も高そうだ。
血統面は、ディープインパクト産駒など4種牡馬の産駒をプラスに評価。とはいえ、プラス評価の対象になった頭数を考えると、実際には「この4種牡馬の産駒以外をマイナスに評価」という表現のほうが正しい。一昔前はロベルト系が非常に強いレースだったことや、道悪となる可能性が高いことを考えると、キレ一辺倒ではなくパワーも適度に欲しいところである。
★出走馬・総論×各論 香港からワーザーが参戦して、このまま何事もなければ16頭立てとなりそうな今年の宝塚記念。何頭もの有力馬が回避したことを考えると、これだけのメンバーが揃ったのは素直にうれしい。netkeiba.comの予想オッズでは、復活を期するサトノダイヤモンドが、現在のところ1番人気。女傑ヴィブロス、菊花賞馬キセキがそれに続いている。
真ん中よりも外の馬が1着に、内の馬が2〜3着に来るという傾向が非常に強いだけに現時点での分析に限界はあるが、ここでは「断然」といえる高評価となったのが、冒頭の特注データの該当馬でもある
パフォーマプロミスだ。鞍上が戸崎騎手に乗り替わる予定であるのがマイナス材料だが、それ以外はプラス評価がズラリと並ぶ素晴らしい内容。中穴人気が強いというレース傾向にもピタリと当てはまる。
以下は大混戦だが、二番手評価は
ヴィブロス。牡馬が相手でもまったく遜色のない地力の持ち主であるのを、前走のドバイターフで改めて証明してみせた。海外遠征からのローテで勝った馬が過去10年で一度もないのは割引も、牝馬であるという大きな強みで、それをカバー。高速馬場化が進んでいるのもプラスで、いかにも内枠から2〜3着に来そうなタイプである。
三番手評価に
サトノダイヤモンド。海外遠征から戻って以降はかつての輝きを取り戻せずにいるが、この中間の動きに、ようやく「らしさ」が感じられるようになった。前走の大阪杯でも最後はいい末脚を見せており、鞍上が主戦であるルメール騎手に戻るのも大きなプラス。操縦性の高さが生かせる内回りも、本調子ならば大歓迎のはずだ。
以下はサトノクラウン、キセキ、ミッキーロケット、サイモンラムセス、ノーブルマーズ、タツゴウゲキという評価の序列。あとは、枠番決定後に「1着を取れそうなタイプの外枠」と、「2〜3着を取れそうな馬の内枠」をプラスに評価するのを忘れないようにしたい。序列はつけたが実際はかなりの混戦模様で、チョイ荒れ〜やや荒れ程度であれば大いに期待できるはず。総決算のグランプリらしく、振り回してみるのも面白い。
■総論×各論・先週の馬券回顧
東京11レース ユニコーンS(G3)
1着 14ルヴァンスレーヴ
2着 05グレートタイム
3着 12エングローサー
勝負になってねえ(#^ω^)ビキビキというわけで、断然のトップ評価だった07グリムから勝負するも、残念ながら大ハズレ。揉まれるどころか「揉みくちゃ」だったワケで、さすがにキツいっすねえ……。コレが競馬ってモノではありますが、ちょ〜っとモヤモヤ。宝塚記念では、このモヤモヤをスッキリ晴らしたいものです。いやもうホントに(財布の中身を見ながら)。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!