---

■アイビスSD(G3・新潟芝1000m直)フルゲート18頭/登録17頭

---

【コース総論】新潟芝1000m直 Aコース使用

・コースの要所！

---

★7〜9番人気の好走率が非常に高く要注目。人気サイドの信頼度はやや低め。
★過剰人気ではあるがやはり外枠のほうが有利。回収率ベースの数値も優秀。
★一気の差しや追い込みは厳しいコース。中団より前のポジションが欲しい。

---

　日本で唯一の直線芝コースとして、ファンにも親しまれている新潟芝1000m直。ホームストレッチをフルに使って、極限レベルのスピード勝負が行われる。序盤〜中盤と一貫して速いスプリント戦らしい流れになるので、スピードだけでなく持久力も求められるコース。また、外枠が圧倒的に有利なことも、ファンによく知られている。

　まずは人気別だが、上位人気馬の信頼度は並以下で、中穴の好走率が高め。とくに目立っているのが7〜9番人気の強さで、勝率・連対率・複勝率のいずれも、4〜6番人気とほとんど差がない。ならば、7〜9番人気を狙ったほうが儲かるのは自明の理で、実際に回収率ベースの数値は素晴らしい高さ。常に激走を警戒しておきたい。

　次に枠番。いかに外枠有利かをファンがよく知っているため、外枠というだけで人気になってしまう。枠番値がマイナス0.3と低いのは、ファン心理による過剰人気が原因だろう。しかし、それでも単勝適正回収値98.4、複勝回収値100と回収率ベースの数値は十分に高く、信頼度の高さは内枠や中枠とは比較にならないほど。つまり「過剰人気にはなるが、それでも外枠が買い」という結論となる。

　最後の1ハロンでラップが一気に落ち込むので差しも決まるが、全体的にはやはり先行勢が強いコース。馬群が外ラチ沿いに偏るのもあり、差すにしても前を捌くのがけっこう難しい。上がり上位馬は総じて好成績だが、末脚のキレる馬でも、中団よりも前のポジションが取れないと厳しいはず。好位追走からのチョイ差しが理想形だ。

【レース総論】アイビスSD(G3)　過去10年

・レースの要所！

---

★1番人気の信頼度は高め。狙ってオイシイのは4〜6番人気や7〜9番人気か。
★開幕週だがコースデータ以上に外枠が強い。中枠の弱さも目立っている。
★差しも決まるが好位が取れる馬のほうが高信頼度。中団より前が欲しい。
★4〜5歳馬が絶好調で、牝馬の強さも目立つ。大型の牝馬であれば期待大。

---

　レースの平均配当は、単勝913円、馬連3264円、3連複2万3266円。超人気薄が突っ込んで来て大荒れになるケースは少なく、「適度に荒れる」ような結果が多いレースである。1番人気を筆頭に、上位人気の信頼度もそれなりに高め。あとは、コースデータと同様に7〜9番人気の強さも目立っている。チョイ荒れ狙いが功を奏しそうなレースだ。

　開幕週のAコースなので意外に枠番はどこでもいいのでは──と思ってしまうが、実際はコースデータ以上に外枠が強いレース。勝率14.6％、連対率22.0％、複勝率29.3％と信頼度はぶっちぎりの高さで、単勝適正回収値147.3と回収率ベースの数値も優秀。枠番値に至っては、プラス1.8という驚異的な高さとなった。

　対照的に「激弱」なのが中枠である馬番7〜12番で、昨年は1番人気のフィドゥーシアが2着に好走するも、これがレアケースといえるほど。平均人気が7.7ともっとも高いことを考えると、この成績はなおさら酷い。かなり割り引いて考えるべきで、人気馬でも過信は絶対に禁物。内枠である馬番1〜6番も低調な成績で、イメージ以上に外枠が有利と考えるべきだろう。

　脚質面は、コースデータとほぼ同様の傾向。上がり上位馬が好成績で、差しや追い込みもそれなりに決まってはいるが、信頼度が高いのは「中団より前」のポジションから競馬した馬たちだ。ハナを奪って逃げた馬の信頼度も高く、外枠からの逃げ＆先行であれば信頼度はさらにアップ。コレが、もっとも信頼できるパターンといえる。

　年齢別では、4〜5歳馬の好成績が目立つ。とくに素晴らしいのが4歳馬で、出走数は少ないが[4-1-1-7]で勝率30.8％と、驚異的な強さを見せている。全体的にみても「若い馬のほうが強いレース」であり、5歳以下馬を重視すべきであるのは間違いなし。斤量面で有利な3歳馬も、狙ってみる価値は十分にありそうだ。

　それを証明しているのが、性別＆斤量データ。51キロで出走できる3歳牝馬は、過去10年で5頭が出走して、そのうち2頭が馬券絡みしている。さらに強いのが55キロの牝馬なのだが、残念ながらこちらは、今年の登録馬に該当なし。定量よりも1キロ背負わされている馬が強い──という見方もできるので、ラインスピリットのように57キロを背負う牡馬は要注意だろう。

　出走間隔については、中3〜8週が理想的。連闘〜中2週で使ってくる馬や、中8週よりも長い間隔で出走してくる馬は、ちょっと割り引いて考えたほうがいい。面白いのが前走馬体重別成績で、前走459キロ以下馬は牡牝ともに低調な成績なのだが、牡馬は前走500キロ以上の大型馬もイマイチ。対照的に牝馬は、前走500キロ以上の大型が[3-1-0-7]と絶好調なのだ。「デカイ牝馬は買い」と覚えておいて損はない。


【馬場＆血統総論】

・現在の馬場
　開幕週のAコースで絶好の馬場コンディション。かなり時計も速そう。

・天候予測
　台風の影響で土日に降雨がありそうな気配。道悪になるケースも想定すべき。

・注目血統
　キングヘイロー産駒◎、ショウナンカンプ産駒○、スウェプトオーヴァーボード産駒▲、マツリダゴッホ産駒△

　災害レベルの暑さが続いているが、今週末に関東地方を台風が直撃するとの予報が出ており、新潟競馬場も土日は雨になる可能性アリ。その影響がどの程度出るのかが読みづらいが、多少は渋ると思っておいたほうがいい。開幕週の絶好馬場とはいえ、例年よりも少し時計がかかるケースもありうる。

　血統面は、キングヘイロー産駒など4種牡馬の産駒をプラス評価。少しパワータイプの血統のほうが向く印象を受ける。意外だったのがダイワメジャー産駒で、複勝率こそ28.4％と高いのだが、[2-9-12-58]と、2〜3着に取りこぼすことが非常に多い。これは、コース適性は低いが能力で上位に食い込んでいる──と考えたほうがいいパターンである。

★出走登録馬・総論×各論

　というわけで、枠番が「ものすごく」重要な予想ファクターであるアイビスSD。外枠の成績がここまで飛び抜けていると、現時点での予想や評価が何の意味もなさない可能性が大いにある。トップクラスの評価であっても、中枠に入った瞬間に「押さえ」どころか「消し」まで落ちるのが、このコース＆レース。そのあたりはご了承くださいませ。

　現段階でのトップ評価は、昨年の3着馬でもあるレジーナフォルテ。コース適性の高さを証明済みで、4歳牝馬で前走馬体重498キロ、前走から中3週での出走など、買い材料も豊富にある。最終的な人気が読みづらいが、上位人気に推されない場合のほうが買いやすいはず。外枠に入れば、昨年以上の結果も期待できそうだ。

　二番手評価にカラクレナイ。新潟芝1000m直で初出走というのがネックで、この距離だと後方からのレースを強いられる可能性もありそうだが、単純にプラス評価となった項目の多さならレジーナフォルテ以上だ。この相手関係でも十分に通用するスピードの持ち主で、枠番次第では上位争いできる可能性が大いにあるはず。注目の1頭である。

　三番手評価にペイシャフェリシタ。こちらも新潟には初参戦で、コース適性に関しては何ともいえない部分があるが、買い材料はかなり多い。あとは、人気の一角に推されるであろうダイメイプリンセスと、初芝であるベストマッチョも、上位に評価した組。この5頭のうち「外枠に入った馬」から勝負したい。

　あとはラインスピリット、ラブカンプーが「押さえ」評価。そうそう順当には決まらず、適度に荒れてくれるレースなので、枠番と最終的な人気を加味しつつオイシイ配当を狙っていきたいところだ。出走メンバーからも混戦模様だろうし、人気馬がまとめて内〜中にでも入ればしめたもの。その場合は、ブンブン振り回したい。

---

■総論×各論・先週の馬券回顧

---

中京11レース　中京記念(G3)
1着　16グレーターロンドン
2着　12ロジクライ
3着　04リライアブルエース

ここで人気馬が来るか(#^ω^)ビキビキ

外枠にも入り、買い材料がさらに増えた16グレーターロンドン。しかし、1番人気になってしまうと……やはりここでは買いづらいデスヨネ。どうも噛み合わんというか、リズムが悪いというか。この不調モード、わりと深刻な気がする(頭痛)。

※コース＆血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック！