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10年以上同じ事を言っているレース

  • 2018年08月03日(金) 19時00分


◆池江厩舎は小倉記念に思い入れがある!?

 小倉記念を迎えると「同じ事を言い続けられること」にありがたさを強く感じます。

 毎年同じ事を言っているということは、毎年同じ傾向なわけですからね。血統には傾向や能力の方向性があると証明されます(ここを読まれている多くの方には、当たり前の話なのかもしれませんが、競馬をやる方の中には血統に傾向なんてないと思ってる方も多いですし、競馬をやらない人にとっては競馬と血統の関わりなんて何の興味もないですからねー)。

 前置きが長くなりました。というか、前置きを長く書かないと話がすぐに終わってしまいます(笑)。

 今週末の小倉記念は、この連載を書かせてもらってから、毎年同じ事を書いています。

 グレイソヴリン系の血。特にトニービンの血を持つ馬が強いレース。

 過去5年を振り返っても、トニービンの血を持つ馬は、毎年のように激走。

 昨年は母父トニービンのフェルメッツァが6番人気3着。2016年はクランモンタナが11番人気1着。2014年もサトノノブレスが1着、メイショウナルトが3着。2013年はメイショウナルトが1着。ラブリーデイが5番人気2着。

 2012年以前をさかのぼっても、2009年は母父トニービンのダンスアジョイが16番人気(!)で1着。

 2011年は母父トニービンのキタサンアミーゴが15番人気2着。リクエストソングが8番人気3着。この頃から当コラムは連載させてもらってましたが、同じ事を書いてキタサンアミーゴもリクエストソングも機械的に上げてました。

 今年の出走予定馬ではサトノクロニクルがトニービンの血を持つ馬。

 同馬を管理するのは池江調教師。「特定の重賞レース」に並々ならぬ思い入れがあるのでは? と、勝手に妄想してしまいます。

 たとえば、有馬記念も池江厩舎の思い入れを感じるレース。現在はジャパンカップを目指す調教師が多いのですが、同レースよりも有馬記念に毎年のように有力馬を送り込み、何度も結果を出しています。

 小倉記念も有馬記念のように意欲を見せるレースで、過去10年でも管理馬をのべ12頭送り込み、のべ5頭が連対。7頭が掲示板に載る驚異の成績。

 ドリームジャーニーはまさに池江厩舎の思い入れを示す象徴的な馬。小倉記念と有馬記念を両方優勝しています。

 同馬はディクタスを持ち、メジロマックイーンを持つ馬。小倉記念はトニービンと同様にディクタスも相性の良いレースなのですが、同種牡馬もトニービン同様フランス系の末脚型血統。メジロ血統も昭和のスタミナ血脈で当レースを語る上では欠かせない血統。

 もしかすると、池江厩舎は小倉記念に思い入れがある…というより、小倉記念に向くディクタス、トニービン、メジロ血統を持つ馬が結果的にたくさん入厩しているだけなのかもしれません。

 当レースに強いメジロ血統+グレイソヴリンといえば、トリオンフ。父タートルボウルは母系にトニービンの父父カラムーン。トニービンが走りやすいレースに相性の良い種牡馬。メジロの冠名がずらりと並び、100年近く前から日本にいる牝系。祖母は池江父厩舎の管理馬でした。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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