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スニッツェルが昨年に続き豪リーディングサイヤーに

  • 2018年08月08日(水) 12時00分


◆ジエヴェレストを制するなど2位にダブルスコアで首位の座に

 オーストラリアにおける2017/2018年のシーズンが7月31日をもって終了。スニッツェルが、2シーズン連続でリーディングサイヤーの座に就いた。

 アロウフィールド・スタッドで供用されているスニッツェル(父リダウツチョイス)は、2002年生まれの16歳。ジェラルド・ライアン厩舎に所属した現役時代は、2歳時から3歳時にかけて15戦し、7勝。3歳秋に制したコーフィールドのG1オークレイプレート(芝1100m)を含めて、1000mから1200mの重賞を4勝した他、G1ニューマーケットH(芝1200m)2着、G1TJスミスS(芝1200m)3着などの成績を挙げ、100万ドルを少し越える賞金を収得している。

 同馬は、母スニペッツラスも1200mから1300mの距離で7勝を挙げている他、その父スニペッツもまた、現役時代は3歳チャンピオンスプリンターだったから、極めてスピード色が濃い血統背景を持つ。

 したがって、2006年に種牡馬入りした同馬の産駒も、当然のことながら、父を彷彿とさせるスピード馬が多いのだが、そんな中、4世代目の産駒からG1コックスプレート(芝2040m)勝ち馬シェイマスアワードが出現。配合によっては、距離をこなす仔を出すことを証明している。

 スニッツェルは、2007年と2011年に日本にシャトルされ、いずれの年も50頭以上の産駒が日本で誕生。2008年生まれ世代からは、G3函館2歳S(芝1200m)3着馬ルリニガナらが、そして2012年生まれの世代からは、G3富士S(芝1600m)など3重賞を制したヤングマンパワーらが出現している。

 そのスニッツェルにとって、2017/2018年シーズンの稼ぎ頭となったのが、レッドゼル(セン5)だった。総賞金1000万ドルのジエヴェレスト(芝1200m)を制した他、G1ダーレークラシック(芝1200m)を含む4重賞を制覇。1頭で753万ドルもの賞金を稼ぎ出している。

 この他、G1ゴールデンローズS(芝1400m)、G1TJスミスS(芝1200m)、G1オールエイジドS(芝1400m)と、3つのG1を手中にし、ワールド・ベストレースホース・ランキングでも現段階でトップ10入りを果たしているトラピーズアーティスト(牡4)や、G1ゴールデンスリッパーS(芝1200m)を制したエスティジャーブ(牝2)、G1オークレイプレート(芝1100m)親子制覇を果したラシアンレヴォリューションら送り出したスニッツェルは、トータルで2924万ドルの賞金を収得。

 リーディング2位のアイアムインヴィンシブルの獲得賞金が1591万ドル余りだから、ほぼダブルスコアで首位の座に君臨した。

 またスニッツェルは、前出のエスティジャーブらのおかげで、2歳リーディングサイヤーの座にもあわせて就いている。

 ランキング上位馬の中で、躍進著しいのが、初年度産駒が3歳にして総合リーディング第10位に台頭した、ピエロ(父ロンロ)である。

 ゲイ・ウォーターハウスが管理した同馬が、2歳時に見せたセンセーショナルな活躍を、ご記憶の読者も多いことと思う。2011/2012年シーズンの同馬の成績は、6戦6勝。デビューしたのがランドウィックのLRNSWブリーダーズプレート(芝1000m)で、ここを制してデビュー勝ちを飾ると、2.3/4馬身差で快勝したシーズン最終戦のG1シャンパンS(芝1600m)まで、3つのG1を含む6戦を無敗で走り切り、オーストラリアにおける2歳チャンピオンとなった。

 3歳シーズンを迎えて、連勝記録は8まで伸びたが、9戦目となったG1コーフィールドギニーズ(芝1600m)で2着に敗れて連勝はストップ。しかし、同馬が単なる早熟タイプではなかったことは、3歳秋にもG1ジョージライダーS(芝1500m)など2つのG1を制することで、自ら実証している。更に同馬は、G1コックスプレート(芝2040m)でも3着に健闘し、距離の融通性も示していた。

 クールモア・オーストラリアで種牡馬入りしたピエロは、初年度産駒が2016/2017年シーズンにデビュー。G3マジックナイトS(芝1200m)に勝ち、G1ゴールデンスリッパーS(芝1200m)で3着になったチューリップらの活躍で、フレッシュマンサイヤーズ・チャンピオンの座に就いている。

 そして2017/2018年シーズンには、G1オーストラリアンダービー(芝2400m)をはじめ3重賞を制したレヴェンディ(牡3)、G1VRCオークス(芝2500m)を含む2重賞を制したピノ(牝3)、G2WATCダービー(芝2400m)を制したアクション(セン3)、マジックミリオン3歳ギニーズ(芝1400m)やG3ヴォローグプレート(芝1350m)を制した他、G1ランドウィックギニー(芝1600m)で2着となったピエラタ(牡3)らが出現。通算で853万ドルの賞金を収得してトップ10入りを果たしたのだ。

 1200mから2500mまで様々な距離での活躍馬を出し、次世代のリーディングサイヤーと目されているのがピエロで、大注目の若手種牡馬と言えそうだ。

 なお、産駒のトーセンスターダムがG1トゥーラックH(芝1600m)とG1エミレイツS(芝2000m)と2つのG1を制したディープインパクトは、リーディング77位となっている。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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