隔月連載「俺たちTCKジョッキーズ」。8月は全3回にわたり真島大輔騎手(35歳)に迫りましたが、いよいよ最終回。「人生のパートナー」とも話すララベルとJBCレディスクラシックを制覇するまでのお話や、「あの馬での後悔があったから、ララベルでは…」と唇を噛み締めた昔の悲しい出来事を語っていただきました。(取材・構成：大恵陽子)

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ニンジン片手にララベルに会いに行きたい

――昨年はJBCレディスクラシックをララベルで制覇されました。地方馬がJBC競走を制覇したのはフジノウェーブ以来10年ぶりの快挙。本当におめでとうございます！

真島　ありがとうございます。この馬だけは、本当に言葉に表せないですね。人生のパートナーとして挙げてもいいくらい本当にいろんなことを教えてもらいました。(吉田)照哉社長が我慢して僕を乗せてくれましたし、荒山先生(荒山勝徳調教師)もララベルは「お前が合う。ワンポイントはしょうがないから怪我をした時は別の騎手に乗せるけど、すぐにまた戻すから」ってずっと乗せてくれました。

　ララベルに乗っていなかったら、自分はこれだけの勝利数を挙げていなかっただろうなってすごく感じます。他のレースでも落ち着いて乗れるようになったし、この馬に教えてもらうことも反省することもいっぱいありました。


――約3年半の競走生活で19戦。とても大事にレースに使われてきたんだろうなと感じます。

真島　成長が固まってきたのが3歳10月に大井で勝った時くらいからでした。それまでは荒山先生とも「緩いね」って話していて、浦和の桜花賞の時も「故障しないように」と気を付けながらレースをしていました。それでもレースになると上手に走って来てくれていたんですよね。

　能力試験の時から荒山先生と「この馬で大きい所を獲りたいですね。のちのち(成長して馬が)固まってくればJRAとやれればいいですね」って話をしていたんです。一昨年のJBCレディスクラシックは当日の朝に競走除外になりましたが、この馬じゃしょうがないかなって部分もありました。体質が弱いというか、まともに調子がいいっていう時が少なかったんです。歩様が乱れたりすることが多い馬だったので「無事に無事に。繁殖牝馬になればいいモノを持っているから、繁殖に上げたい」っていう思いでした。

――デビュー前から大きな期待を抱きながらも、繊細な馬ゆえに細心の注意を払いながらのレースだったんですね。2歳時から「いつかは大きいところを！」と素質を感じていた馬でのJBCレディスクラシック制覇。直線では審議のランプが灯ってしまいましたが、ララベルの勝負根性を感じました。

真島　自分のせいで後味がちょっと悪くなってしまいました。気持ちが強すぎて、一心不乱というか周りが見えなくなって追っていました。勝ったことは良かったんですが、人に迷惑をかけてしまい、関係者の方には申し訳ない気持ちです。ララベルは直線で苦しいながらも頑張ってくれて、最後も苦しくてササりながらも「抜かせない」って根性を見せてくれました。この馬には本当に頭が下がります。


真島　ララベルは顔も性格もかわいらしんですけど、体はすごく立派なんですよね。馬房に行くと大人しくて触らしてくれるし、一緒に寝れるような感じの馬です。本当に可愛いんですよね。

――今年2月、フェブラリーSを最後に引退し、繁殖入りしました。それだけ可愛くて「人生のパートナー」とも話す馬だと、“ララベル・ロス”のような状態になりませんでしたか？

真島　無事に引退すると「次をつくろう」っていう感覚になります。そう思うのはやっぱり自分は競馬場で育ったからだなって感じますね。

　ただ、僕1頭だけ後悔している馬がいるんですよ。重賞・マイルグランプリを勝ったデスモゾーム。最後、調子が良くないと感じていたんですが、若かったから半信半疑でしかなくてレースで目一杯追ったんです。そうしたら、故障してしまって…。今でもすごく後悔しています。

　それからは自分が「歩様悪いな」とか「この馬、調子悪いな」って感じたら無理をさせないって決めました。あの後悔だけは二度としないようにっていう思いで乗っています。だからララベルの時も「ダメな時は使わないでください」って荒山先生にお願いしていて、先生も万全の態勢でしか使いませんでした。

　引退したララベルにはニンジンを持って牧場に会いに行って戯れたいですね。そして自分はララベルに教えてもらったことを次に生かして「もっと強い馬を」と思います。


――いま期待している馬はいますか？

真島　ジャパンダートダービーに出走した(8着)リコーワルサーは面白いですよ！ 新馬戦以来乗りましたけど、ゲートがあれだけ上手になっていますし、成長も感じました。距離は持つと思います。いま休養に入っているんですけど、今年の終わりか来年か、ちょっと注目してもらえれば楽しみな1頭です。勝負の世界なんで僕が乗っているかは分からないですけどね(笑)。

――いま南関東リーディングで上位を占める騎手は廃止競馬場からの移籍組が多いですが、真島騎手はTCK生え抜きです。生え抜きとしての思いはありますか？

真島　あ〜！ 全然考えてなかったです。ガンバんないといけないですね(笑)。1頭1頭、どんな感じで乗ろうかとか、調教師とも「こういう風にしたらいいんじゃないか」って話し合っていくのが楽しいです。アウスレーゼもララベルもそうでした。

　もちろん結果を求められるのは分かっているんですけど、その過程が好きなので、それに結果がついてくればいいかなって考えています。勝利だけを考えればその場で終わるんですが、それだけではなくて勝った時に一緒に祝いたいし、一緒の思いで勝ちたいというのが強いんです。それはエージェントとも話しています。


――デビューした時から積み上げてきた信頼関係があるからこそ、厩舎関係者とのそういった思いも強くなるんでしょうね。さて、現在1969勝(2018年8月20日時点)でいよいよ2000勝が見えてきました。

真島　2000勝だけは意識しますね。でもあくまで通過点。今いい馬に乗せてもらっているし、バックアップしてもらっているって感じています。その恩返しに1つ1つ大事に勝っていこうという思いです。

――最後に真島騎手が感じるTCKの魅力を教えてください。

真島　デビューした時から華やかな世界だなと感じています。ここ最近、TCKはお客さんを呼ぶのに手をかけて、いろんな世代が来れるような環境づくりを頑張っています。若い方からお年寄りまで楽しめる競馬場になっていると思うので、ぜひ足を運んでもらえたら嬉しいですね。

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祝・7152勝！ 8月28日(火)に「的場DAY」開催！

　8月12日(日)の大井競馬5Rで、TCK(東京シティ競馬・大井競馬場)所属の的場文男騎手が、日本新記録となる地方通算7152勝を達成！

　これを記念して、8月28日(火)の大井競馬を「的場DAY」と称し、お客様と一体感をもって的場騎手の記録達成をお祝いする各種セレモニー・イベントを開催します。

☆ドローンで迫力の生中継！ 的場騎手表彰式☆


「的場DAY」当日、的場騎手の日本新記録・地方通算7152勝達成を記念して、当日の第10レース終了後に表彰式を実施。なお、表彰式の模様は、TCK史上初となる「ドローン」を使用した映像で生放映！ 大迫力の表彰式をお楽しみください。

【時間】第10レース終了後
【場所】ゴール前賞典台
※天候などにより、「ドローン」による放映は行わない場合がございます。

☆みんなで着よう！マトＴ(マトティー)プレゼント☆


「的場DAY」当日、なんと先着7152名様に達成時の口取り撮影時に着用した祝賀Ｔシャツ「マトＴ(マトティー)」のレプリカＴシャツを配布します！ みんなで、マトＴを着て的場DAYを盛り上げよう！

【実施日】8月28日(火)
【時間】開門〜
【場所】G-FRONT前特設ブース
【人数】先着7,152名様
【内容】当日各入場門にて「マトＴ引換券」を開門時に配布いたします。こちらの引換券を上記引換場所までお持ちください。
※お一人様1枚(1回)限りとさせていただきます。
※サイズはSサイズ、Mサイズ、Lサイズからお選びいただけますが、サイズごとに数に限りがございますのでご了承ください。

☆的場騎手と記念フォトセッション！☆


「的場DAY」当日に、抽選会で当選した230名様と的場騎手によるフォトセッションを実施。参加者の方には、祝賀マフラータオル「マトタオル」と「マトＴ」をもれなくプレゼント！ タオルとTシャツを身に付けて、大記録を一緒にお祝いしよう！

【時間】最終レース終了後
【場所】L-WING1階 馬場側特設会場
【人数】「祝7152勝！ 記念大抽選会」で当選された方 230名様
※20時頃に会場にお越しいただける方で、21時頃までイベントに参加できる方のみ対象です。
※イベント実施に伴い、当日のメインレース終了後に会場を規制します。

☆記念デザイン入場券販売！☆


「的場DAY」当日に、記念デザインの大井競馬入場券を販売します。今回は、記念入場券2種類を各7152枚ずつの販売です。数に限りがございますので、お早めにご来場ください！

【時間】開門〜
【場所】未定(決定次第、TCK公式ホームページでお知らせします)
【発売数】2種類　各7152枚
【発売金額】1枚100円
※お一人様各1枚までの販売とさせていただきます。
※無くなり次第終了となります。

「的場DAY」当日はこの他にもイベント盛りだくさん！ 詳しい情報はTCK公式サイトをご覧ください。金字塔達成の快挙を、肌で感じられる注目の一日！ 皆さまのご来場、心よりお待ちしております！

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