▲キーンランドセールの会場の様子を特別配信
4月8日の福島競馬で落馬し、頚椎骨折、胸椎骨折の診断を受け、現在休養中の中谷雄太騎手。長期入院を経て、先月退院しました。復帰に向けてはまだ時間がかかるとのことですが、「騎乗している時には出来ない経験をしたい」と思っていた矢先、普段からお世話になっている矢作芳人調教師から、“世界最大規模”のキーンランドセールへのお誘いをいただいたそうです。
そこで、知られざる海外セリの白熱の現場を、現役騎手の視点からレポートするこの企画(全3回予定)。2回目の今回は、現地時間の10日から始まったセリの様子をお届けします。セリの現場で調教師の方々がどんな仕事をしているのか。日本とは違う海外のセリのムードとは。そして今回、セリの主催者から特別に動画撮影の許可をいただきました。貴重な現地映像もお届けします!
240万ドル(約2億7000万円)という高値の馬も登場
netkeibaをご覧のみなさんこんにちは。騎手の中谷雄太です。
前回はアメリカに到着して、下見の様子までをお届けしました。(→
前回の記事はこちらから)
▲“チーム矢作”右下から矢作芳人調教師、中谷雄太騎手、右上から濱野陣助手(矢作厩舎)、林徹調教師、青木孝文調教師
▲1頭1頭を入念にチェックする矢作調教師
現地時間の10日(以降、すべて現地時間)、ついにセリが始まりました!
前日が雨だったこともあり、予定の開始時刻より2時間遅れてのスタートに。というのは、雨でセリ前に馬を見られなかった人が多いことを考慮して、通常は11時スタートのところを13時スタートに変更されました。当然終わるのも遅れるわけで…セリは21時頃まで続きました。
初日の午前中は、矢作先生は当日競る馬の獣医検査を申し込んで、その結果を待っている間に、2日目に出てくる馬を選定。前日と同じくらいの頭数を皆で見て回りました。
そして13時になり、セリがスタート。チーム矢作が選んだ馬は血統が超一流で、実馬も見て決めているので、ほぼ全員が納得した馬以外手を挙げる気がありませんでした。
▲セリ直前のパレードリング
▲競る予定の馬の最終チェックをする矢作調教師
今回のセリはアメリカの良好な景気の影響もあるのか、馬の値段が高く、思った値段では落とせなくて、初日は残念な結果となってしまいました。
2日目(11日)の午前中は、前日と同じく翌日の馬の選定と、その実馬をチェック。この日もセリが13時スタートになったため、実際に競る予定の馬が出てくるまでには結構時間があったので、近くにある馬具屋さんに皆で行きました。