スマートフォン版へ

力を付けたウインムートVSクラスターC組/テレ玉杯オーバルスプリント

  • 2018年09月23日(日) 18時00分


秋の戦いは波乱の予感


 振替休日の9月24日(月)、浦和競馬場で行われる『第29回テレ玉杯オーバルスプリント(1400m)』。今年はJRA4頭、浦和6頭、船橋1頭、笠松1頭の12頭立て。昨年このレースに出走したのはサトノタイガー(7着)だけという新顔揃いのメンバーとなりました。

 注目の1頭はウインムート。昨年7月、ダート路線に転向初戦の桶狭間S(中京・1600万下)を楽に逃げ切り、オープン入り。続く佐賀のサマーチャンピオンではダートグレード競走初挑戦で3着に好走。エニフS(阪神・OP)も快勝してオープン勝ち。その後3戦は敗戦したものの今年5月の栗東S(京都・OP)、6月の天保山S(阪神・OP)とオープン戦を連勝。どちらも2番手からの競馬での勝利。

 特に天保山Sでは58kgを背負って、今回出走するドライヴナイト(逃げて4着)を破っています。前走プロキオンSはハイペースのレコード決着。逃げ切ったマテラスカイには最後は離されたものの、道中2番手からしぶとく粘って3着。2着はインカンテーションで“負けて強し”の結果。ダート転向後の9戦すべて1400m【4-0-2-3】というもの好印象。今回のメンバーで54kgなら上位を狙える存在で、重賞初制覇を期待します。

重賞初制覇に期待がかかるウインムート(写真は18年天保山S優勝時、(c)netkeiba.com)


 対するはクラスターCでマッチレースを演じたオウケンビリーヴとネロ。

 オウケンビリーヴは盛岡の直線の長い叩き合いを制し、ダートグレード競走初制覇。2走前のスパーキングレディーCでも2着に好走し、充実期を迎えた5歳牝馬。オーバルスプリントを牝馬が勝利すれば2012年のアースサウンド(52kg)以来6年ぶり。53kgの今回も上位争い必至で、重賞連勝を目指します。

重賞連勝を狙うオウケンビリーヴ(写真は18年陽春S優勝時、(c)netkeiba.com)


 ネロはクラスターCでは惜しくもクビ差2着に敗れましたが、その僅かな差は舞台や条件が変われば逆転可能。今回のJRA勢で唯一、浦和コースの経験(さきたま杯8着)があるのは強み。

 京阪杯(京都・芝1200m)を2連覇(2016年、2017年)している芝の快速馬ですが、ダートでも昨年のJBCスプリントでタイム差無しの4着、4月の東京スプリントでも3着など芝・ダート問わない走りを見せてくれています。惜しいレースが続くダートグレード競走初制覇を狙います。

芝の快速馬ネロはダートグレード競走初制覇なるか(写真は18年東京スプリント出走時、撮影:高橋正和)


 ドライヴナイトは地方競馬初出走。前走プロキオンSは13着でしたが、3走前のすばるS(京都・OP)を逃げて勝利。このときウインムートを11着に下しており、展開次第では怖い存在。デビュー戦以来1400mを中心に使われていて勝ち鞍6勝はすべて1400m。初めての小回りコース、コーナーを4回まわるレースで新しい魅力開花なるか注目です。

展開次第では怖い存在なドライヴナイト(写真は18年すばるS優勝時、(c)netkeiba.com)


浦和・小久保厩舎怒涛の4頭出し


 地方勢はまず4頭出しの浦和・小久保厩舎の馬たちに注目。

 トーセンハルカゼは昨年のスパーキングサマーC、マイルグランプリでともに2着。重賞タイトルこそ手にしていませんが、南関東勢では力上位。

南関東勢では力上位のトーセンハルカゼ(写真は17年ダイオライト記念出走時、撮影:高橋正和)


 ノブワイルドは前走A2の長月特別で逃げて2着に2秒5もの差をつける大差勝ち。さきたま杯では7着でしたが、ダートグレード競走2度目の挑戦で前回以上を狙います。

前走逃げて大差勝ちのノブワイルド(写真は18年プラチナC出走時、撮影:高橋正和)


 そのさきたま杯でJRA勢相手に3着と好走したアンサンブルライフ。今回も地元コースで地方馬最先着なるでしょうか。

2走前のさきたま杯でJRA勢相手に3着と好走したアンサンブルライフ(写真は17年アルクツールス賞優勝時、撮影:高橋正和)


 サトノタイガーはご存知2014年のJBCスプリント2着など重賞戦線で活躍。今年も年明け1月の船橋記念で2着に好走。10歳の古豪健在です。

10歳の古豪サトノタイガー(写真は18年習志野きらっとスプリント出走時、撮影:高橋正和)


 船橋のスアデラは父ゴールドアリュール、母は2007年のエーデルワイス賞を制したマサノミネルバというダートグレード競走ゆかりの血統。自身も2017年習志野きらっとスプリントを制している快速牝馬。52kgの軽量を活かし、初コンビの的場文男騎手がどんな走りを見せてくれるか楽しみな1頭。

大井の帝王的場文男騎手と初コンビのスアデラ(写真は17年習志野きらっとスプリント優勝時、撮影:武田明彦)


 逃げ・先行馬が揃ったスプリント重賞。どの馬が逃げるのか、展開予想も楽しみな戦いで、一瞬たりとも目が離せません。JBCスプリントを見据えた秋の戦いは波乱含みになりそうな予感がします。

※次回の更新は10月1日(月)18時。翌日に金沢競馬場で行われる「白山大賞典」のコラムをお届けします。


テレ玉杯オーバルスプリントの出馬表はこちら→→→
場外発売所一覧はこちら→→→
浦和競馬のホームページはこちら→→→
地方競馬情報サイトはこちら→→→

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング