完全に軌道に乗った! そんな言葉がぴったりな馬とは…
今週の栗東は坂路、Cコース、ともに時計が出にくい馬場状態。このところ、スカッと晴れる天気が少なく、雨が降り続けるような日が多かったので、その影響が出ているでしょう。そして、Cコースに関してはウッドチップの入れ替えもかなり影響しているようです。
滑りやすいウッドチップに苦戦する馬が続出。そういった馬は走りのリズムが悪くなるので、追って伸びないというよりも走り切れていないという感じ。ですが、なかにはうまくバランスをとりながら、しっかり伸びてくる馬もいます。これは時計ではなく、動きを見て判断する部分でもあるので、調教欄からはなかなか見つけにくいかも知れません。
ただ、今朝のCWで時計からも見た目からも推奨できるのは、サフラン賞に出走予定のレッドアネモス。ユーキャンスマイルを追いかける内容でしたが、これが速すぎたこともあり、結果的に77.0秒という数字。担当者の杉村助手は「追い切りがハードになった分だけ飼葉を食べる」ということですから、これがオーバーワークになるということはなさそう。とはいえ、牝馬ですから、レース当日の馬体重や気配はちょっと気にしておきたいですね。
【スプリンターズS/ファインニードル】
セントウルSの1週前追い切りでは坂路で2度もよれる場面を見せ、状態はひと息と思いましたが、最終追い切りで川田将雅騎手が跨ると、ある程度の動きと数字。レースで結果が出たのは納得ですが、当時よりも良くなっている印象は1週前追い切りと現在の馬体を見れば感じることができます。
今回の最終追いも川田将雅騎手が跨りましたが、時計は4F52.5秒。ちなみに昨年12着に敗れたスプリンターズSの最終追いは4F55.1秒。前走が同じレースにもかかわらず、時計がこれだけ違う点からも調整過程が全く違うということが分かります。あとはいろんな条件が噛み合って、春秋連覇ということになるのではないでしょうか。
春秋連覇を狙うファインニードル
【スプリンターズS/アレスバローズ】
完全に軌道に乗った、そんな言葉がぴったりな馬。重賞を連勝していますが、それは偶然ではなく、調教のパターンも確立し、次第にレース運びが上手になっていくという確固たる理由があります。1週前に坂路で速い4F時計を出し、最終追い切りは4Fが遅くても終い重点でラスト1F最速ラップを踏む。今回もこれが実行されています。
まず1週前追い切りは坂路4F52.6秒、1F12.1秒。少し時計を要する馬場状態だったので、この数字で十分でしょう。最終追いは4F56.2秒とかなり遅い数字ですが、こちらは先週よりもっと時計を要する馬場状態。1F12.4秒はちょっと物足りなさもありますが、4F目最速ラップという点を評価したいところです。
完全に軌道に乗ったアレスバローズ
【スプリンターズS/レッツゴードンキ】
もしかすると、1週前追い切りのCWでラストが止まったことを心配されている方がいるかも知れません。でも昨年2着の1週前追い切りもCWで6F76秒台という素晴らしい時計を出して、ラスト1Fは13秒台。最後を流した昨年に対し、今年はある程度追っていたというところが違いますが、全体的に強い負荷をかけたという意味では同じ。
その昨年の最終追い切りが坂路で4F54.4秒、1F11.8秒だったことを思えば、今回の1F12.9秒はちょっと物足りません。これが1週前追い切りの関係した動きなのか、馬場が悪かった影響なのか。ここに6歳牝馬という年齢を考慮すると、どう考えるのが正解なのか。もう少し頭を悩ませてみたいと思います。
素晴らしい時計を出したレッツゴードンキ
【スプリンターズS/ラブカンプー】
いつも坂路では4F目が大きく失速するラップなので、前走セントウルSも最後は止まるだろうと予想。しかし競りかけてきたネロが脱落しても、こちらは最後まで踏ん張るレース。とはいえ、差されたファインニードルとの斤量差は前回の6キロから今回が4キロに縮まるわけで、単純に前走負けた相手を逆転するのは簡単ではないでしょう。
今回の最終追い切りもやっぱり4F目が失速。時計の出にくい馬場状態が余計に失速させた4F目13.6秒だったと思います。前走から調子が落ちたとは思いませんし、ここまでよく走っているタフガールだと思いますが、さすがに上積みがない状態でG1という舞台はどうでしょうか。
【シリウスS/ウェスタールンド】
ダートで2戦2勝。距離が1700mでの勝利だけに、今回の300m延長がどう出るのか。これが予想のポイントになると思いますが、芝では2400mでも好走実績がある馬。決して距離が長いとは思いませんが、問題は直線の急坂でしょう。
ここに関しては、毎日の坂路2本乗りが鍛えてくれています。最終追い切り、時計を要する馬場状態だったにもかかわらず、4F目が最速になるきれいな加速ラップ。タフなレースになればなるほど、前半ためた脚を爆発できると思うので、要は重賞の流れに対応しつつ、最後まで脚を残せて走れるかどうかでしょう。
最後まで脚を残せて走れるかどうかがカギのウェスタールンド
◆次走要注意
・9/23 神戸新聞杯【エポカドーロ】(1人4着)
4着という結果は躓いたことがすべてだと思いますし、ハナを切っていれば、結果は違ったかも知れません。しかし、最終追い切りが芝だったように、ここはあくまでトライアル。次は皐月賞の最終追いのような形になると思いますし、そうなれば当然、スムーズなレースで勝ち負けというイメージです。
[メモ登録用コメント] [菊花賞]最終追い切りCWでラスト1F最速ラップなら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・テレビ静岡賞【シヴァージ】
時計を要するCWだったにもかかわらず、最後は持ったままの手応えで6F80.6秒。3頭併せの真ん中で圧倒的な動きを見せたように、春よりもパワーアップしたのは間違いありません。このまま順調なら、来年はフェブラリーSにきっと出走して人気にも支持されるような馬になっていると思います。
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