シュテルングランツが新天地でどう変化していくのか楽しみ
南関東ではリスタート組の活躍が続いています! 9月19日に大井競馬場で実施された重賞S1東京記念(2400m)では、シュテルングランツ(栗東・須貝尚介厩舎⇒美浦・武藤善則厩舎⇒浦和・小久保智厩舎)が、7152勝の日本記録ホルダー、大井の帝王・的場文男騎手が手綱を取り、鮮やかな逃げ切り勝ちを収めたことはニュースでも紹介されたと思います。
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東京記念のパドック。シュテルングランツと的場騎手、担当はマイネエレーナなどを手掛けてきた田中厩務員
「今日はうまくいったので、これで負けたら仕方がないと思いました」と的場騎手も渾身の手綱さばき。絶妙なペース配分で進めていくと、最後の直線では『的場ダンス』全開で、それにシュテルングランツもしっかり応える形で、最後まで力強い走りでフィニッシュしました。
「気性的にはお利口さんで頭のいい馬です。前走は折り合いがつかなかったのですが、今日は一瞬掛かったものの、ハミをいじり替えたら落ち着いてくれました。シュテルンとうまく話し合いがつきました」(的場騎手)。
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東京記念ゴールの瞬間、的場騎手もガッツポーズ。自身が持つ重賞最年長勝利記録&重賞勝利38年連続を更新
シュテルングランツは中央時代に1400mから1800mで5勝を挙げ、移籍前にはオープンクラスで走っていましたが二桁着順が続いていました。南関東に仲間入りしてからは3戦目で重賞初出走での初勝利。
「(中央時代に)これだけの実績がある仔なので身体能力は高いだろうし、何が原因でスランプになったのかなぁと考えました。常に一生懸命な気持ちで走っているように見えたので、そこを直してあげたいなと思って、痛みやストレス、疲れなどを取ってあげることに専念してきました。
ここ2戦はスタートがあまりにもよすぎたのですが、あれはムキになりすぎたもので、今回ちょっと出が鈍かったのは余裕が出てきた証拠なのかなと。まだ体調は整える程度なので、調教では攻めてはいません。ちょっとずつよくなっているので、やっと素の状態に戻ったかなぁと思っています」(小久保調教師)。
シュテルングランツは7歳ですが、この新天地でどう変化していくのかも楽しみです。
小久保調教師は的場騎手のファンと公言しているのは有名ですが、的場騎手が7000勝を達成した川崎マイラーズでは管理馬のリアライズリンクスが勝利し、的場騎手が「宿題」と言っている未勝利の東京ダービー制覇に向けても共に挑戦してきました。
2015年東京ダービーは管理馬のラッキープリンスとパーティメーカーがワンツーフィニッシュを飾り、的場騎手は2着のパーティメーカーに騎乗。小久保調教師は「ラッキープリンスに乗りなさい」と言ったものの、的場騎手がそれまで乗っていたパーティメーカーに騎乗したというエピソードもあります……。
この後のシュテルングランツは、11月4日に京都競馬場で実施されるJBCクラシック(1900m)に向かう予定です。「的場さんと一緒にJBCを目指したいし、的場さんがいう宿題もまだ残っているから、こっちも頑張っていかないと」(小久保調教師)。
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レース翌日のシュテルングランツ、のんびりと穏やかに過ごしていました
なお、この東京記念は1964年の東京オリンピックを記念して創設されたレースです。2020年の東京オリンピックもあと2年に迫り、巷では日本一勝っている騎手として、的場騎手に聖火ランナーの1人として登場して欲しいという声も上がっていますよ(笑)。もちろん、現役騎手として……。
次回のリスタートは10月15日(月)にお会いしましょう!