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母アルティマトゥーレ譲りのスピードを活かしたいアルティマリガーレ

  • 2018年10月10日(水) 12時00分
●アルティマリガーレ(牝 栗東・佐々木晶三 父ハービンジャー、母アルティマトゥーレ)
 芝短距離でオープンクラスまで出世したアルティマブラッド(父シンボリクリスエス)の半妹。母アルティマトゥーレはセントウルS(GII)とシルクロードS(GIII)を制したスピード馬で、キャプテントゥーレ(08年皐月賞-GI)、クランモンタナ(14年新潟記念-GIII・2着)、コンテッサトゥーレ(15年桜花賞-GI・3着)の4分の3姉にあたる。2代母エアトゥーレは阪神牝馬S(GII)を勝ち、フランス遠征ではモーリスドゲスト賞(仏G1)で2着と健闘。3代母スキーパラダイスはムーランドロンシャン賞(仏G1)、京王杯SC(GII)の勝ち馬。日本を代表する名牝系のひとつといっていいだろう。

 本馬は「ハービンジャー×フジキセキ」なのでトーセンバジル(17年京都大賞典-GII・2着、17年香港ヴァーズ-G1・3着)と同じ組み合わせ。ただ、兄弟が挙げた10勝はすべて1600m未満なので、トーセンバジルと同じ組み合わせでも1200〜1400mあたりで力を発揮しそうだ。

●ウォーターバベル(牡 栗東・岡田稲男 父ハービンジャー、母ウォーターエナン)
 母ウォーターエナンは芝・ダート兼用のスプリンターで、3勝を挙げて1000万条件まで出世した。2代母Scrapeがフォーティナイナーの全妹、という良血がモノをいったのか繁殖成績も優秀で、ウォータールルド(父ウォーターリーグ/OP)、ウォーターショパン(父ハーツクライ/準OP)などが出ている。

 ただ、母は「ボストンハーバー×Mr.Prospector」なので硬質な印象があり、じっさい、本馬の兄弟には芝馬もいればダート馬もいる。父ハービンジャーはこれまでの勝ち星の93%が芝。極端に芝寄りの適性を示しているので、本馬は中距離の芝に向きそうだ。

●シーザウェイクリア(牡 美浦・武井亮 父ジャスタウェイ、母ポーレン)
 母ポーレンは現役時代、アイルランドでパークエクスプレスS(G3・芝8f)を勝った。その半兄に愛ナショナルS(G1・芝7f)2着馬Berensonがいる。母の父Orpenはサトノダイヤモンドの母の父でスピードを伝える。母は日本で3頭の子を産み、うちステイゴールドを父に持つ2頭がデビューを果たし、現3歳のムーンライトナイト(父ステイゴールド)が未勝利戦を勝ち上がったあとミモザ賞(3歳500万下)で3着となった。

 本馬の父ジャスタウェイは初年度産駒が好調で現在10頭が勝ち上がり、ラブミーファイン(18年函館2歳S-GIII・2着)、エイシンゾーン(18年新潟2歳S-GIII・5着)、アウィルアウェイ(18年ダリア賞-2歳OP)、ヴェロックス(18年野路菊S-2歳OP・2着)などが出ている。芝向きのマイラー。

●ツキノサバク(牝 美浦・菊沢隆徳 父Oasis Dream、母ダンサーデスティネイション)
 母ダンサーデスティネイションはイタリアで走り、レジナエレナ賞(伊G3・芝1600m)を勝ったほか、伊オークス(G2・芝2200m)で2着となっている。父Oasis DreamはGreen Desert系の名種牡馬で、現役時代はナンソープS(英G1・芝5f)、ジュライC(英G1・芝6f)、ミドルパークS(英G1・芝6f)などを勝ったスプリンターだった。

 当然、産駒はスピードタイプが多く、Muhaarar(カルティエ賞最優秀スプリンター)やAqlaam(09年ムーランドロンシャン賞-仏G1)のようなスプリンター〜マイラーが多い。ただ、配合次第ではMidday(09年BCフィリー&メアターフ-米G1)のような中距離馬を出す能力がある。本馬は、ブルードメアサイアーとして定評のあるDubai Destinationが母の父で、Green Desert≒Shareef Dancer 2×3を持っている。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

●ルベリエ(牝 栗東・中竹和也 父ディープインパクト、母ヴェルダ)
 母ヴェルダは伊2勝。繁殖牝馬として優秀で、ヨーロッパ時代にチェヴァリーパークS(英G1)とロベールパパン賞(仏G2)を勝ったVorda(父Orpen)を産み、日本に輸入されたあと産んだ現3歳のアヴィオール(父Redoute's Choice)は紫苑S(OP)で6着となった。

 本馬はそれらの半妹。母の父Observatory、2代母の父Mark of Esteemはいずれも芝向きのマイラーで、母ヴェルダの子にはその良質なスピードがよく伝わっている。本馬の父はディープインパクトなので芝向きのマイラー〜中距離タイプとなりそう。切れる脚があれば重賞でも活躍できそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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