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シュプリームギフトの娘ラフェリシテ

  • 2018年11月07日(水) 12時00分
●アメジストヴェイグ(牡 栗東・中竹和也 父ハービンジャー、母グルヴェイグ)
 京都2歳S(GIII)で2着となったヴァナヘイム(父キングカメハメハ)の半弟。父はハービンジャーに替わった。母グルヴェイグ(12年マーメイドS-GIII)はアドマイヤグルーヴ(03、04年エリザベス女王杯-GI)の3/4妹にあたる。2代母は牝馬ながら年度代表馬に輝いたエアグルーヴ(97年天皇賞・秋-GI、96年オークス-GI)。

「ハービンジャー×ディープインパクト」の組み合わせはケイティクレバー(17年京都2歳S-GIII・3着)、サトノリュウガ(17年京都新聞杯-GII・4着)、ハッピーアワー(18年すずらん賞-OP)などが出ており成功している。完成は遅めかもしれないが、芝向きの中距離タイプとして期待できそうだ。

●アンテメリディエム(牡 栗東・須貝尚介 父Authorized、母Morning Line)
 母Morning Lineは不出走馬ながら“Anabaa産駒のRivermanクロス”というニックスから誕生している。このパターンはGoldikova(カルティエ賞年度代表馬でG1を14勝)、Anabaa Blue(01年仏ダービー-G1)、Trevise(凱旋門賞を2連覇したTreveの母)、Anabandana(ニュージーランド2歳チャンピオン)、アクアリング(クイーンズリングの母)などが出ている。父Authorizedは英ダービー(G1)など英G1を3勝。父系はMontjeuを経てSadler's Wellsにさかのぼる。

 本馬は、父がMontjeu系で、母はAnabaa産駒のRivermanクロスなので、凱旋門賞を2連覇した歴史的名牝Treveと配合構成がよく似ている。日本で走るには少々重厚すぎるきらいはあるものの、ハマればおもしろい。芝向きの中距離タイプ。

●フォーエバーワン(牝 美浦・矢野英一 父ハービンジャー、母フォーエバーマーク)
 母フォーエバーマークは現役時代、キーンランドC(GIII)を勝ったほかアイビスサマーダッシュ(GIII)2着、函館スプリントS(GIII)3着などの成績を持つスピード馬だった。2代母の兄弟にスティンガー(98年阪神3歳牝馬S-GIなど重賞5勝)、サイレントハピネス(95年ローズS-GII、95年4歳牝馬特別-GII)、アーバニティ(09年オーシャンS-GIII)などがいる。母の父ファルブラヴはブルードメアサイアーとして非凡な能力を秘めている。

 たとえば同じ非サンデー系のキングカメハメハと比較すると、母の父の成績はほぼ互角。ファルブラヴとキングカメハメハが交配した繁殖牝馬の質は後者がはるかに上なので、それを考慮に入れるとファルブラヴの優秀性が浮かび上がる。「ハービンジャー×ファルブラヴ」の組み合わせからはまだこれといった活躍馬は出ていないが、母が重賞勝ち馬なので、この馬がそうなる可能性は大いにある。芝向きのマイラー。

●ベストピクチャー(牝 栗東・藤岡健一 父Dubawi、母Golden Globe)
 母ゴールデングローブは現役時代に芝中距離で活躍し、愛知杯(GIII)5着、府中牝馬S(GII)6着などの成績を残した。母の父Shamardalは仏2000ギニー(G1)、仏ダービー(G1)を制した名馬で、名種牡馬Street Cry(Zenyatta、Winx、ストリートセンスなどの父)の全姉を母に持つという血統は魅力的。

 父Dubawiはわずか1世代を残して急逝したDubai Millenniumの代表産駒で、Postponed(15年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS-英G1などG1を4勝)、マクフィ(10年英2000ギニー-G1、10年ジャックルマロワ賞-仏G1)をはじめ多くのG1ホースを誕生させている。15年にはフランスでリーディングサイアーとなった。本馬は外国産馬でサンデーサイレンスを持っていないが、芝向きのマイラーだろう。仕上がりも早いはず。

●ラフェリシテ(牝 栗東・須貝尚介 父ルーラーシップ、母シュプリームギフト)
 母シュプリームギフトはディープインパクト産駒ながら芝短距離で活躍し、函館スプリントS(GIII)2着、京阪杯(GIII)とキーンランドC(GIII)で3着という成績を残した。その兄弟にはベステゲシェンク(15年オーシャンS-GIII・3着)、ロワアブソリュー(16年アーリントンC-GIII・3着)などがいる。2代母スーヴェニアギフトはランダルースS(米G3・ダ6f)を勝ち、デルマーデビュターントS(米G1・ダ7f)2着。スピード色の強いファミリーだ。

 これにルーラーシップを付けて誕生した本馬は、Kingmambo≒Souvenir Copy 3×3という組み合わせのクロスを持っている。「ルーラーシップ×ディープインパクト」は菊花賞馬キセキと同じ組み合わせ。芝向きのマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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