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朝日杯フューチュリティSでも楽しみは大きい(津田照之)

  • 2018年11月13日(火) 18時00分

ファンタジストの梅田智之調教師は、とにかく前向き


 11月3日に行われた京王杯2歳Sは2番人気のファンタジストがハナ差で勝利して、1番人気のアウィルアウェイが2着。人気通りの決着となった。そしてレース後、両陣営に次走に向けての見通しを聞いてみた。

 まずは勝ったファンタジスト陣営。梅田智之調教師はとにかく前向きだった。

 「1400mにしてはかなり遅い流れのなか、馬混みの中で全く引っ掛かることなく、折り合って運べたことは評価できるし、最後の直線ではアウィルアウェイの追撃も凌いでくれた。レースセンスが良くて、それでいて瞬発力もある。こんな2歳馬はなかなかいないよ。普段の坂路調教でもあっさりと好タイムをマークするし、心配能力が高いんだと思う。今のところ、注文を付けるところがない。京王杯2歳Sの内容なら、距離がマイルに延びても大丈夫。それにレースの4日後には坂路コースで調教できたくらいだから、疲れも全く感じられないからね。このまま無事に行けば、朝日杯フューチュリティSでも楽しみは大きい」とのこと。
 
 今後の見通しは明るそうだが、あえて課題を挙げるとしたら「距離がどこまで保つのか」。個人的には京王杯2歳S(1400m)→朝日杯フューチュリティS(1600m)→スプリングS(1800m)→皐月賞(2000m)→ダービー(2400m)というローテーが希望。鍛えながら、少しずつ距離を延ばし、どこまで対応できるのかを見てみたい。

 一方、アウィルアウェイに騎乗したM・デムーロ騎手はとにかく悔しそう。

 「着差が着差だからね。何とか勝ちたかった。600mのラップが38秒0? 1400m戦でしょ? 考えられないペース。いくら何でも遅すぎるよ。そのぶん、捉えきれなかった感じ。それに勝ったファンタジストは折り合い面がスムーズだけど、僕の馬はまだ子供っぽく、乗り難しい面がある。その差も出た感じだね。それでも遅い流れのなか、何とか我慢は利いていたから、距離がマイルに延びてもこなせると思う。次は阪神ジュベナイルフィリーズかな?

 その日、僕は香港に行く可能性もあるけど、乗っても乗れなくても好きな馬だし、いい結果を出してほしい」とのこと。

 こちらは道中の走りが荒っぽく、まだ幼さが残る現状だが、逆に言えばそれだけ伸びしろも大きいとの見方もできる。個人的にはM・デムーロ騎手が競馬を教え込んできた馬だけに、次走も腕達者に乗ってもらい、次につながるレースをしてもらいたい。

 そして、東京スポーツ杯2歳Sに参戦するカテドラルも面白そう。管理する池添学調教師は…。

 「10月31日の追い切りでは行きたがってしまい、思っていたより速い時計が出てしまいました。それでも11月7日は序盤から落ち着いて走っていたし、重い馬場も苦にせず、いい動きを見せてくれました。気配はいいですね。そして普段の調教を見ていると、道中は前に馬を置き、それでいて横に馬がいないパターンが一番合っているみたいですね。横に馬が来たら馬が力むので、道中ではなく、最後の直線で他馬と併せる形がベストでしょう。そうそう上手くいくものではありませんが、レースでも良さを出せる展開になってほしいですね」とのこと。

 調教を見ていると、行きたがる面は徐々に修正できている印象。それをレースでも生かせるかどうか。福永騎手の手綱捌きに期待したい。

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