▲ジェンティルドンナ(左)とアーモンドアイ(右)の素顔を徹底比較 (C)netkeiba.com
今から6年前の2012年、牝馬三冠を達成したジェンティルドンナはジャパンCへと駒を進めた。オルフェーヴルとの叩き合いの末、ハナ差しのいで勝利。レース史上初の3歳牝馬による優勝を成し遂げた。今年、アーモンドアイが偉大な先輩と同じ道を歩もうとしている。そんな歴史に名を刻む名牝の素顔を、それぞれの担当者が証言(ジェンティルドンナ日迫真吾厩務員、アーモンドアイ根岸真彦調教助手)。一流馬の一流馬たる所以が見えてくる。
(取材:美浦・佐々木祥恵、栗東・大恵陽子)
Q.競馬に行ったときのスイッチの入り方は?
▼ジェンティルドンナは「テンションが高かった」
ゲート裏でテンションが高かったですね。オークスで「発汗がすごいですね〜」って言われましたが、あれはガス抜きになっていて、本当のイレ込みじゃないです。スタミナをロスしている感じではなかったですね。「ちょっとイラつくから、引っ張っている担当のおっちゃんに八つ当たりしよう」みたいな(笑)。ドバイに行った時、日本と違って向こうはゲート係の人しか触れないんですが、僕が引っ張っている時と違って明らかに人を見ていました。その時は普段ほどやっていなかったです。
▼アーモンドアイは「一気に馬が変わる」
普段過ごしている上では人懐っこいですけど、馬場や競馬に行くとスイッチが入ります。パドックでジョッキーが乗った時に、一気に馬が変わりますね。テンションが上がって気合いが入ったなというのは感じます。(普段の調教で)角馬場やダクなど、ゆっくりでいいとわかっている時は動かないというか、逆にヤル気がないくらいで、ルメールさんも「全然動かない」って言っています。それが馬場に行くと急にスイッチが入ってすぐハミを取ります。(仕事をわかっているんですね?)そうですね。
▲ジェンティルドンナを担当した日迫真吾厩務員 (撮影:大恵陽子)
Q.レースを終えての様子は?
▼ジェンティルドンナは「涼しい顔をしていた」
秋華賞の後でも息の入りは良かったです。馬が競馬を分かっているのか、「ゴール板でハナだけ出ていたらいいんでしょ?」っていう感覚がありましたね。ヴィルシーナと接戦で、あの時にはもう競馬を分かっているようなところがありました。写真判定でしたが、ずっとライバルだったので、あの馬に負けたらしゃーないってところもありました。ラストランの有馬記念でもゴールの手前に赤いポールが立っていて、そこをゴールだと思って1回ふわっと体が浮いています。そこからもう一度追われて動きましたが、勘違いしていたみたいです。スローペースで、先行馬有利のコースで馬場も良かったので、涼しい顔をして帰ってきました。走る馬は競馬を分かっている馬が多いんじゃないですかね。
▼アーモンドアイは「すぐにケロッとしていた」
普段の調教では息は入りますね。心肺機能は強いです。桜花賞の時は結構楽に走ってきて、すぐにケロッとしていました。直線だけ走ったという感じでした。オークスと秋華賞の時は、目一杯走ってきて疲れている感じはありました。オークスの時は暑かったのもあったと思います。秋華賞の時は、最後の直線で全力を出し切ったという感じがしました。ツラッと走っているようで、全力だったのかもしれません。
▲▼アーモンドアイと根岸真彦調教助手 (撮影:佐々木祥恵)
Q.普段馬房にいるときの様子や人に対しての接し方は?
▼ジェンティルドンナは「気が強い姉ちゃん」