▲シンポジウム「馬たちのセカンドライフ」2番目に登壇した筑波大学の松元剛准教授
大学馬術部の現状とは
筑波大学馬術部には、重賞に出走経験のあるサラブレッドが在籍している。その名はバーボンカントリー(セン)。父はTheatrical、母Ski Goggle、母父はロイヤルスキーという血統で、1994年5月17日にアメリカで生まれている。母Ski GoggleはアメリカのG1レース、エイコーンSの優勝馬で、94年の京王杯SC(G2)、フランスのムーランドロンシャン賞(G1)等を制したスキーパラダイス(牝)、94年の朝日杯3歳S(G1)で2着となり、95年のきさらぎ賞(G3)に勝利したスキーキャプテン(牡)を送り出しており、バーボンカントリーもその血統背景からデビュー時から注目されていた。
4歳時につばき賞(500万下)、すみれS(OP)と連勝して素質の片鱗を覗かせた。ちなみにすみれSで破ったエリモダンディーは、のちに京阪杯(G3)、日経新春杯(G2)に優勝している。バーボンカントリー自身も、オールカマー(G2)で5着(1着はメジロドーベル)に入って、良血馬らしい走りを披露している。だがバーボンカントリーの競走生活は短く、翌年11月のインターナショナルジョッキー(900万下)7着を最後に競走馬登録を抹消している。
そのバーボンカントリーは現在24歳。ともに走ったメジロドーベルも健在ではあるが、最後の産駒が今年デビューという年齢になってきている。その中でバーボンカントリーは、筑波大学馬術部の馬として学生たちを背に競技会に出場してきたが、今年から新たな道に進み始めている。
▲筑波大学馬術部に在籍しているバーボンカントリー
「馬たちのセカンドライフ」のシンポジウムで2番目に登壇したのは、筑波大学の松元剛准教授だった。
松元准教授は、主にスポーツコーチングについて研究をしている。
「大学馬術はどうあるべきか、馬と大学、そして大学の役割は何であろうというのを整理していくのに、この6月からプロジェクトが始まりました。そのプロジェクト名は『大学馬術部における馬の多様な利活用及び大学馬術部のマネジメントに関するプロジェクト』で、今、現状についていろいろと情報を集めて大学馬術部がどうあるべきかのモデル提案をしていこうと考えています」(松元准教授)
松元准教授の話を聞いて、大学スポーツについて初めて知ったことがあった。例えば大学馬術部は全日本学生馬術連盟に所属しているのだが、大学の本体が馬術部として登録しているわけではなく、大学の学生たちが自主的に団体を作って登録をしているという形になっているということだ。これは馬術部に限らず、他のスポーツでも同じ形態のようだ。