▲外国人騎手にもニューウェーブ!? W.ビュイック騎手がステルヴィオと日本GI初勝利 (c)netkeiba.com
今回はマイルCSからウィリアム・ビュイック騎手をピックアップ。日本ではまだ馴染みの薄い印象も、6か国でGIを制してきた世界的名手。哲三氏もポジション取りやハミの対処などに注目しつつ、その技術に太鼓判を押します。ただある推察から、4コーナーから直線に掛けての攻防に対してはひとつ注文も。日本人騎手が平均して長けているとされる技術を引き合いに、短期免許で来日する外国人騎手がより日本に適応するための助言とエールを送ります。(構成:赤見千尋)
ビュイックのある動作を見て「久しぶりに“馬に乗りたい”」
マイルチャンピオンシップは3歳馬ステルヴィオが初のGI制覇で、騎乗したウィリアム・ビュイック騎手にとっても日本で初めてのGI勝ちとなりました。世界のトップジョッキーとして活躍しているビュイック騎手。高い技術を存分に見せてくれたレースでしたね。
まずファインプレーに挙げたいのはやはりスタート。これまでの競馬を見ていると、ゲートはそれほど速い馬ではないのかなという印象でしたが、テン乗りのGIでいきなり出してきた。1枠1番を引き当て、外がペルシアンナイト、その外がアルアインという並びでしたから、その2頭を見ながら運べる絶好の枠。ビュイックがどういう位置取りをするのか楽しみにしていましたが、ゲートを出してスピードに乗せて行き、ペルシアンナイトが欲しかったであろうポジションを取り切った。
ミルコもあの位置が欲しかったと思いますし、かなり出して行ったけれど、これが1番と2番の差。ミルコが取られたというわけではなく、1番に入ったビュイックがその良さを最大限に活かす騎乗をした結果です。
■11月18日 マイルCS(1番:ステルヴィオ)
ステルヴィオに初めて乗って、ポジションを取りに行こうと思いつき、実際にそういう競馬ができてしまうところがすごい。もちろん陣営とも話しているでしょうが、脚質というのはゲートが開いてから決めるものであり、そのレースを勝つためにどう脚を使うのかということを大事にしているように思います。
京都競馬場は、日本のコースの中ではパリロンシャン競馬場と構造的に近いものがあると思っているのですが、そういう意味でもビュイックの乗り方は、パリロンシャンで乗っている乗り方に似ているなと。凱旋門賞を勝つためのポジショニングというのは