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▲オジュウチョウサンを管理する和田正一郎調教師(撮影:佐々木祥恵)
1年前の中山大障害で半端ない強さを見せつけたオジュウチョウサン。障害界の絶対王者は、今年7月に平地復帰すると連勝を飾り、有馬記念ファン投票では3位となる10万382票を獲得。大目標であるグランプリ出走の切符をつかんだ。ファンに愛され、注目を集める同馬を管理する和田正一郎調教師に現在の心境を聞く。
(取材・文=佐々木祥恵)
平地復帰は惨敗も想定していた
──有馬記念出走が現実のものとなりましたが、最初平地に挑戦が決まった時に先生はどんなお気持ちでしたか?
和田 オーナーが有馬記念に出走させたいというご意向でしたのでそれで平地挑戦となったのですが、以前から平地を走らせたらどうなのだろうと厩舎内でも話をしていましたので、唐突という感じはしませんでした。芝を走っていた馬をダートに出走させるということがありますが、それに近いと言うのでしょうかね。
──初戦が福島の開成山特別(7/7・500万下)で、2戦目が東京の南武特別(11/3・1000万下)と実際平地に出走して2連勝と結果も出してきましたね。
和田 持っている身体能力は素晴らしいものがありますので、平地でも通用してくれる、楽勝できるかもしれないという気持ちはありました。ただずっと障害に専念してきて障害仕様になっていましたし、やってみなければわからないところがありました。歯が立たず惨敗もあるかもしれないという想定もしていました。
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▲500万下のレースながらGI並みの大歓声が起こった開成山特別(撮影:下野雄規)
──その後予定していた中山の九十九里特別(9/22・1000万下)を回避して一旦放牧に出たように、少し順調さを欠いた時期もありましたが?
和田 使って使えないわけではなかったのですが