▲ブラストワンピースを管理する大竹正博調教師(右)を直撃 (撮影:下野雄規)
オジュウチョウサンの参戦が話題となった平成最後の有馬記念。制したのは、出走中唯一の3歳馬ブラストワンピースでした。管理する大竹正博調教師は開業10年目でのGI初制覇。大仕事を成し遂げたトレーナーを直撃。管理馬の未来に向けて、競馬界の未来に向けて、大きな夢も明かしてくださいました。
(取材・文=佐々木祥恵)
※次回の更新は、1/13(日)を予定しております。
ダービーと菊花賞で課題が見えるも、あえて「シンプル」を貫いた
――有馬記念優勝、おめでとうございます。GI初制覇ということで、まずブラストワンピースがゴールした瞬間のお気持ちをお聞かせください。
大竹 やっとここまで来たという気持ちが強かったですね。
――最後の直線では興奮されたのではないですか?
大竹 僕の後ろに助手の岩藤と松浦、そして平岩と、その3人がすごい声で応援していたので、それにつられるような感じで直線の坂下あたりから大声で叫んでいました。いつもは声を出さずに静かにしているのですけど(笑)。ゴール後、(レイデオロで参戦していた)藤沢(和雄)先生と思わず抱き合ってしまいました(笑)。
▲出走中唯一の3歳馬だったブラストワンピースが勝利 (撮影:下野雄規)
▲鞍上の池添騎手は、有馬記念4勝目を挙げた (撮影:下野雄規)
――藤沢先生も戸惑われたのでは?
大竹 なのでトレセンで会った時に、謝りました。先生は『そうだよなぁ』と仰っていました(笑)。(真相は後半で!)
――今回は1番人気のレイデオロより前の位置取りでの競馬になりました。
大竹 レイデオロも瞬発力がありますから、早めに動いていった方が今回はいいと思っていましたし、その位置取りで競馬ができたのが1番大きいですね。
――枠順も良かったですね?
大竹 内も外も見ながら進めますし、絶好枠だったと思います。オジュウチョウサンが1枠に入って、だいたいどういう形になるかが池添騎手には見えていたようです。内過ぎる枠もちょっと嫌だなと話していましたし、真ん中の枠が当たってジョッキーが戦前にイメージしている通りのレースになりました。