●アムールリンクス(牝 美浦・中川公成 父オルフェーヴル、母ヒガシリンクス)
高松宮記念(GI)やスワンS(GII)など4つの重賞を勝ったコパノリチャード(父ダイワメジャー)の半妹。2代母ビッグラブリーはNijinskyとRed Godのニックスを、母ヒガシリンクスはトニービンとCaerleonのニックスを持つ綺麗な配合展開で、繁殖牝馬として成功しているのもうなずける。
本馬の父はオルフェーヴル。初年度産駒からエポカドーロ(18年皐月賞-GI)、ラッキーライラック(17年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI)と2頭のGIホースを送り出している。気性の難しさとスピード不足が弱点で、母方にスピードが乏しいとダート向きに出ることが珍しくない。母ヒガシリンクスはトニービンの娘で、配合によってはダート向きの産駒も出しているので、本馬は芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。
●ジーガスリッド(牡 栗東・友道康夫 父ヴィクトワールピサ、母ハルーワソング)
半兄にフレールジャック(11年ラジオNIKKEI賞-GIII)、マーティンボロ(14年中日新聞杯-GIII、14年新潟記念-GIII)がいる。半姉ハルーワスウィート(父Machiavellian/準OP)は名繁殖牝馬となり、ヴィルシーナ(13、14年ヴィクトリアマイル-GI・2回)、シュヴァルグラン(17年ジャパンC-GI)、ヴィブロス(17年ドバイターフ-G1、16年秋華賞-GI)の母となった。2代母Morn of Songは名種牡馬Rahyの全妹。
本馬の父ヴィクトワールピサはジュエラー(16年桜花賞-GI)の父で、その母の父がMachiavellian。したがって、Machiavellianを父に持つハルーワスウィートと配合構成が似ている。本馬を産んだとき母は20歳と高齢だったが、期待の持てる良血馬だ。
●チェリッシュユー(牝 美浦・古賀慎明 父ヴィクトワールピサ、母チェリーミルズ)
母チェリーミルズはパレロワイヤル賞(仏G3・芝1400m)2着馬Tulipsの半妹で、現役時代にダート短距離で2勝を挙げた。3代母Cherokee RoseはスプリントC(英G1・芝6f)、モーリスドゲスト賞(仏G1・芝6.5f)を勝った名スプリンター。
母の父Invincible Spiritはヨーロッパで最も優れたスピード血統のひとつであるGreen Desertの系統に属し、Kingman(カルティエ賞年度代表馬)をはじめ多くのスピード馬を出して成功している。母方にGreen DesertとKrisを併せ持つヴィクトワールピサ産駒なので、芝中距離で1000万条件まで出世したナリタピクシーに配合構成が似ている。芝向きのマイラー。
●マルシュロレーヌ(牝 栗東・矢作芳人 父オルフェーヴル、母ヴィートマルシェ)
兄弟にサンブルエミューズ(父ダイワメジャー/13年フェアリーS-GIII・3着)、グレナディアーズ(父ネオユニヴァース/17年ダイオライト記念-Jpn2・4着)、アヴニールマルシェ(父ディープインパクト/14年東京スポーツ杯2歳S-GIII・2着、14年新潟2歳S-GIII・2着)がいるほか、母ヴィートマルシェの半弟にトライアンフマーチ(09年皐月賞-GI・2着)、インペリアルマーチ(10年きさらぎ賞-GIII・4着)がいる。2代母キョウエイマーチは桜花賞馬。コンスタントに活躍馬が出る華やかなファミリーに属している。
「オルフェーヴル×フレンチデピュティ」の組み合わせは少ないサンプルからアルドーレ(準OP)、ヘリオス(18年黄菊賞-2歳500万下・4着)が出ており悪くない。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●レッドクレオス(牡 美浦・藤沢和雄 父ハーツクライ、母サセッティ)
阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)で3着となったレッドセシリアの全弟。他の兄弟にレッドセインツ(父ディープインパクト/10年新潟2歳S-GIII・3着)、レッドライジェル(父ディープインパクト/15年青葉賞-GII・6着)がいる。母の半姉Winonaは愛オークス(G1・芝12f)を7馬身差で圧勝したほか、3代母My Bupersの一族からはハーツクライが出るなど、優れた活力を脈々と受け継ぐ名牝系に属している。
本馬の父はハーツクライなので、同牝系同士の配合となり、My Bupers 4×3という大胆な牝馬クロスが施されている。My Bupersは米最優秀スプリンターMy Julietを産んだ名繁殖牝馬。全姉レッドセシリアに劣らぬ活躍を期待したい。芝向きの中距離タイプ。