2歳馬登録状況にみる新シーズンへの気運(須田鷹雄)
早期特例登録された馬を眺めてみる
年が明けて1ヶ月以上経ったところで、2歳馬の登録状況を確認してみた。
といっても、昭和の時代と違ってこの時点でトレセンに入るケースというのはそうそうない(逆に昭和の時代には1歳入厩も普通で、いまでいう後期育成を厩舎が担っていたこともあった)。いま競走馬登録が済んでいるのは基本的に早期特例登録制度を利用した馬である。この制度については何回か紹介したが、おおざっぱに言うと実際に馬が入厩しなくても先立って預託契約を結び、馬主の減価償却開始タイミングを早くできるような制度だ。
この制度ができたときにはほとんどの個人馬主が利用するのではと思ったが、意外に利用が進まず、現2歳馬については683頭(登録後抹消された馬を含む)。競走馬所有を事業扱いにしていない馬主がいることを考えても、なかなか増えてきていない。
この制度、ファンからしてみれば「どの馬がどの厩舎に行くか」を早めに観察できるありがたみがある。
シャドウの飯塚知一氏(Shadow)、「モズ」のキャピタルシステム、ノースヒルズ、「ケイアイ」の亀田和弘氏、近藤英子氏、ドクターコパこと小林祥晃氏、石川達絵氏、猪熊広次氏、大川徹氏、「テソーロ」の了徳寺健二ホールディングスなどが早期特例登録制度を利用しており(全頭ではない)、中にはドラフトで指名されそうな馬もいる。ちなみにクラブ馬でもラフィアンは既に籍がついており、ビッグレッドファーム・コスモヴューファーム所有馬も登録されている。
セール馬で価格最上位はオルフェーヴル×パレスルーマーのアイアンバローズ(牡/角居)。価格2位もオルフェーヴル産駒のアミークス(牝/母ヘアキティー・栗田徹)だ。
ディープインパクト産駒は13頭が登録済み。いままであまりなかったケースかと思うが、社台オーナーズのテルヌーラ(牝/母ドントテルソフィア・木村)も登録された。元調教師の池江泰郎氏が馬主であるクレアーレ(牡/母ミリアグラシア)は池江泰寿厩舎で登録されている。セール馬ではサクラジマテソーロ(牡/母ステラマドレード・矢作)が登録済みだ。
こうして2歳馬の登録状況を見ていると、いよいよ新シーズンという雰囲気が高まってくる。赤本もちょうど新年度の体制を立ち上げたところ。今年も御購買のほど、よろしくお願いしたい。