ポイントはいくつもある。休養馬の仕上がりも、展開も、3歳馬の夏を越しての成長も大きなカギを握るが、今年の場合は「世代間のレベル」だろう。
昨年1~3着のマイネルモルゲン、マイネルソロモン、シャイニンルビーなどの古馬陣が相変わらず一歩リードなのか。それとも全体のレベル高しといわれる3歳のアイルラヴァゲイン、マイネルハーティーなどがすでに上回っているのか。あるいは、ちょっと不振といわれる4歳馬コスモサンビーム、フォーカルポイントの2頭(ともに乱戦ダービーのあと1年間も休み復活をかけている)が、巻き返すことができるのだろうか?
4歳不振は、たまたま前出の2頭が1年もの休みを余儀なくされた昨年のダービーの反動が大きく原因しているとみる。カメハメハこそ秋に1戦しただけで引退に追い込まれたが、一度はスランプに陥ったグループも、体調さえ戻るとGI級に巻き返している。メイショウボーラー、スズカマンボ、ハーツクライ、ダイワメジャー、牝馬のスイープトウショウ。コスモバルクも含め、決してこの4歳世代のレベルが低いことはないだろう。
コスモサンビームはメイショウボーラーを封じて朝日杯FSを快勝。NHKマイルCはキングカメハメハの2着に押し上げ、1分33秒0。
骨折のため1年以上も休んだが、関屋記念で底力を示したあと、確実に復活の手応えをつかんでいる。朝日杯と同じ中山の1600mに移り、今度は好位づけも可能な組み合わせ。マイラーとしてAランクにも近い能力がフルに生かせるはずだ。
フォーカルポイントも本質はマイラーだろう。カメハメハを封じた(京成杯)ことのある中山コース。1600mなら掛かることもなく、フルに切れ味が発揮できる。3歳では、確かに成長を見せるアイルラヴァゲインも怖いが、スケールはマイネルハーティー(ニュージーランドTが圧巻)の方が一枚上とみたい。