【無料】時計要す決着に向くパワフル牝馬に期待したい/フラワーC
彷彿とさせるのは、ドバイで好走したあの馬
3月中旬のフラワーC(中山)には、まだ桜花賞挑戦をあきらめない馬と、もう半分オークスに目標を切り替えかけた馬がいる。そういう施行時期とメンバーのタイプが関係するのだろう。最高タイムは17年ファンディーナの1分48秒7にとどまり、高速レースにはならない(2011年は阪神)。
エールヴォアは秋の阪神1800mを1分46秒8で勝っている。出負けしながら6馬身差の圧勝だった。だが、あれは9月の超高速馬場。もちろん中身は光ったが、価値があるのは男馬相手だったこと。
2走前の牝馬同士のアルテミスSは道中もまれすぎて3着。1−2着馬ほどスムーズではなかった。だが、復活した出世レースのエリカ賞では、日曜のスプリングSで伏兵視されるタガノディアマンテなどの牡馬を完封している。
父ヴィクトワールピサは10年の弥生賞(重)、皐月賞(稍重)、有馬記念など合計8勝のうち、中山芝で5戦4勝。特にタフなコンディション歓迎だった。
その父ネオユニヴァースも主戦格はM.デムーロで、小雨の皐月賞、重馬場の日本ダービーを制しているから、父系は時計がかかる馬場は全然苦にしない。
エールヴォアは、東日本大震災直後の11年春のドバイワールドC(AW)を制し、「日本のために勝てて良かった」と言ったヴィクトワールピサのM.デムーロに替わる。今年は先週まで26勝でランキング4位。ちょっと乗鞍が少なく、やや元気がないようなミルコだが、ヴィクトワールピサ産駒の有力牝馬に乗るのだから発憤するだろう。
あのドバイで、小差2着し互いに快走を称え合ったのはトランセンド陣営だった。そのトランセンドはかなり珍しい配合で、芝のビッグレース向きとして定評のあったトニービン産駒の牝馬に、明らかにダート向きワイルドラッシュの組み合わせ。バテないスピード能力にパワーが重なった。だからレコード勝ち2回、当時AWトラックだったドバイワールドCにも対応できた。
エールヴォアの母フィーリングトーンは、トランセンドと同じ06年3月生まれで、不思議なことにこちらも数少ないトニービン牝馬とワイルドラッシュの配合になる。といって、エールヴォアと、トランセンドは関係ない。Mデムーロは騎乗するエールヴォアをヴィクトワールピサの産駒として気に入るだけだろうが、この3歳牝馬はトランセンドのようにパワフルかもしれない。