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【無料】時計要す決着に向くパワフル牝馬に期待したい/フラワーC

  • 2019年03月15日(金) 18時00分

彷彿とさせるのは、ドバイで好走したあの馬


 3月中旬のフラワーC(中山)には、まだ桜花賞挑戦をあきらめない馬と、もう半分オークスに目標を切り替えかけた馬がいる。そういう施行時期とメンバーのタイプが関係するのだろう。最高タイムは17年ファンディーナの1分48秒7にとどまり、高速レースにはならない(2011年は阪神)。

 エールヴォアは秋の阪神1800mを1分46秒8で勝っている。出負けしながら6馬身差の圧勝だった。だが、あれは9月の超高速馬場。もちろん中身は光ったが、価値があるのは男馬相手だったこと。

 2走前の牝馬同士のアルテミスSは道中もまれすぎて3着。1−2着馬ほどスムーズではなかった。だが、復活した出世レースのエリカ賞では、日曜のスプリングSで伏兵視されるタガノディアマンテなどの牡馬を完封している。

 父ヴィクトワールピサは10年の弥生賞(重)、皐月賞(稍重)、有馬記念など合計8勝のうち、中山芝で5戦4勝。特にタフなコンディション歓迎だった。

 その父ネオユニヴァースも主戦格はM.デムーロで、小雨の皐月賞、重馬場の日本ダービーを制しているから、父系は時計がかかる馬場は全然苦にしない。

 エールヴォアは、東日本大震災直後の11年春のドバイワールドC(AW)を制し、「日本のために勝てて良かった」と言ったヴィクトワールピサのM.デムーロに替わる。今年は先週まで26勝でランキング4位。ちょっと乗鞍が少なく、やや元気がないようなミルコだが、ヴィクトワールピサ産駒の有力牝馬に乗るのだから発憤するだろう。

 あのドバイで、小差2着し互いに快走を称え合ったのはトランセンド陣営だった。そのトランセンドはかなり珍しい配合で、芝のビッグレース向きとして定評のあったトニービン産駒の牝馬に、明らかにダート向きワイルドラッシュの組み合わせ。バテないスピード能力にパワーが重なった。だからレコード勝ち2回、当時AWトラックだったドバイワールドCにも対応できた。

 エールヴォアの母フィーリングトーンは、トランセンドと同じ06年3月生まれで、不思議なことにこちらも数少ないトニービン牝馬とワイルドラッシュの配合になる。といって、エールヴォアと、トランセンドは関係ない。Mデムーロは騎乗するエールヴォアをヴィクトワールピサの産駒として気に入るだけだろうが、この3歳牝馬はトランセンドのようにパワフルかもしれない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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