
▲ロードカナロアで高松宮記念を制した岩田康誠騎手(C)netkeiba.com
GI恒例・コース解説のこのコーナー。実際にそのGIを勝ったことのある騎手やそのコースが得意な騎手にコースの特徴を解説いただきます。春のGIシーズン幕開けを飾る高松宮記念は2013年にロードカナロアで制覇した岩田康誠騎手が登場。「世界のロードカナロア」や、2年連続レッツゴードンキでインを突き2着に惜敗したレースなど、なぜあの進路を選んだのでしょうか。
(取材・構成:大恵陽子)
天候で馬場がゴロっと変わる
――ロードカナロアが制覇した2013年は現在のコースに改修された翌年でした。11番枠からスタートして、道中は中団の内から3〜4頭目でしたね。
岩田 前半のペースが速いと、脚が上がってしまうっていうのもあるのでその位置でした。前半3Fを34秒台で行けば、カナロアは絶対に伸びるっていう自信がありました。GIなのでだいたいペースは速くなるんですが、リズムよく走らせてって感じですね。
――直線ではやや外に持ち出しました。馬場のいい所を選んだということでしょうか?
岩田 ペースが流れて4コーナーまで脚を溜められたので、直線はしっかり進路のある所を選びました。

▲直線の位置取りで末脚の爆発をアシスト(C)netkeiba.com
――ゴール前で計算しつくしたように差し切りました。
岩田 ポジションをスッと取りに行ければいいんでしょうけど、他馬の関係もありますし、カナロア自身、位置を取りに行って伸びるって馬でもなかったです。でも、最後は一番強かったですね。
――ロードカナロアの強さを信じての騎乗だったわけですね。一方、昨年・一昨年と2着に惜敗したレッツゴードンキは2年ともにインコースを選択しました。
岩田 この馬はゲートを出る時と出ない時があるんです。スタートして進まない時もあるので、ちょっと難しさもあります。そんな中で内を回ろうと思ったのは枠順ですね。一昨年も2枠3番だったので。
――一昨年は稍重で、他馬がみんな外を回る中、たった1頭最内を通ってきました。インを狙った理由というのは何なのでしょうか?
岩田 3〜4コーナーでいかに楽をするか、ですね。
――最後に、高松宮記念の馬場の印象はいかがですか?前年12月からほぼ3開催連続に近い形で使用された中京開催の最終週となります。
岩田 雨が降ったり、天候でゴロッと馬場が変わるので、注意しておかないといけないと思います。