▲昨年はJRA通算4000勝を達成し、50歳を迎えたばかりの武豊騎手(c)netkeiba.com
3月も後半に入り、いよいよ大詰めとなってきたクラシック路線。今回はスプリングSで2着した武豊騎手の騎乗を参考に、トライアルを戦う上で結果よりも大切な部分に着目していきます。距離不安を抱えたパートナーが、本番で最大限のパフォーマンスを発揮できるような教育は勿論のこと、オーナーや関係者の「クラシックに挑戦したいという気持ち」までくみ取ってレースを組み立てる武豊騎手。そんな騎乗ぶりには、着順からは見えてこない揺るぎない信頼感や長年競馬に携わってきたからこその人情を感じます。(構成:赤見千尋)
レースの中での課題をほぼ完ぺきにクリア
クラシックに向けてトライアルレースが続いていますが、先週日曜日に行われたスプリングSも、今後を見据える上でいい内容のレースだったと思います。
その中でも2着だったファンタジストの豊さんの騎乗ぶりはさすがだったなと。クラシックへのトライアルというのは深い意味合いがあるし、馬へのメッセージというものがあります。特に、皐月賞、ダービーへのトライアルというのは、距離に疑問がある馬にとってとても難しく、距離を克服しながら結果も出さなければなりません。
例えば適性はマイル寄りかなと思っても、クラシックに挑戦したいと考えるのがオーナーや関係者の気持ちでしょう。今回の豊さんの馬も、力はあるけれど距離はどのくらい持つのだろうという中で、クラシック路線に持って行くために、レースの中でやりたいことをほぼ完ぺきにクリア出来たのではないでしょうか。
▲デビューからコンビを組み続ける武豊騎手とファンタジスト(撮影:下野雄規)
豊さんは先週誕生日を迎えて50歳になったことが話題になりましたが、クラシックシーズンも何十年も乗って来て、今の中山コースを知り尽くしている。経験の中で