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【田子ノ浦親方×小牧騎手】園田の相撲部屋見学(2)「特製ちゃんこを頂きながら…親方とジョッキーの異色対談スタート!」

  • 2019年03月26日(火) 18時01分
太論

▲小牧騎手が相撲部屋でちゃんこに舌鼓!


園田競馬場内の田子ノ浦部屋リポート第二弾。朝稽古を見学したあとは、待ちに待った昼食タイム! 用意された席に着くと、田子ノ浦部屋特製のちゃんこ鍋を筆頭に、スタミナ満点のおもてなし料理がズラリ。数々の絶品料理を前に、20年来の友人である小牧騎手と田子ノ浦親方の軽妙トークが展開されました。(取材・文:不破由妃子)


新地じゃなくて十三というのが僕たちらしい(笑)


──親方、今日はお忙しいなか、本当にありがとうございます。相撲部屋が競馬場内に移転という前代未聞の試みは、多方面で話題になりましたね。たくさんの見学者が訪れたのはもちろんですが、メディアの取材なども多かったのでは?

田子ノ浦親方(以下、親方) そうですね。思った以上に反響がありましたね。

小牧 そういえば、『ミヤネ屋』もきたやろ? 『ミヤネ屋』のスタッフから、「小牧太騎手の写真を使ってもいいですか?」ってジョッキークラブに電話が掛かってきたらしいわ。

親方 ホント、(今回の移転が実現したのは)小牧さんのおかげですよ。

小牧 いやいや、俺はなにもしとらんて。まさか実現するとは思っていなかったし(笑)。

親方 小牧さんと友達だったことが大きいんですよ。それで周りの見方が変わってきたところは間違いなくありますからね。

──提案された園田競馬場さんも、最初は驚いたでしょうね。

親方 なにしろ前例のないことなんで、最初はやっぱり「ホントなのかな」みたいな感じでしたが、こうして場所を提供していただいて、日々いろいろと協力してくださってね。本当にありがたいです。

──小牧さんとは、もう20年以上のお付き合いだそうですね。

親方 そうですね。自分が現役の頃からお世話になっていますから、そのくらいになりますね。自分が十両の頃にはすでにトップジョッキーで、いろんな話を聞かせてもらって、いろんな人に会わせてくれてね。小牧さんからはたくさん刺激を受けたし、勉強になることも多いです。

小牧 親方との思い出といったら、やっぱり十三で飲んだことやな。むしろ、それしかないかもしれん(笑)。そういえば俺、道路の真ん中で親方に足首を持たれて、逆さ吊りにされたことあんねん(笑)。酔っ払っていたとはいえ、普通の道やで!

親方 アハハハ! そんなこともありましたねぇ(笑)。今でももちろん行ってますけど、十三は僕らにとって思い出の街ですよね。新地じゃなくて十三というのが、また僕たちらしくて(笑)。

小牧 ホンマやね(笑)。なんせ親方とは長い付き合いや。俺はなんもしとらんけど、こうして喜んでくれているなら俺もうれしいよ。そういえば、パドックやコースを使ったトレーニングもしてみたいとか言ってなかった? 実際に使ってみたの?

親方 いや、まだ(3月初旬の取材時点)使ってないですね。使いたいんですけど、なかなかね。力士の足の裏には傷があるので、裸足で走らせることが難しくて。

小牧 それもそうやな。でも、せっかく園田競馬場に拠点を構えたからには、この場所ならではのやり方で強い力士を作ってもらいたいね。コラムとかを通じて、みんなの頑張っている姿を応援できるし。今回の試みで、きっとファンも増えたやろうしね。

親方 そうですね。競馬開催日には、最高で2000人近くが稽古を見にきていましたからね。でも、逆もありますよ。ウチの稽古を見にきた相撲ファンのなかには、当然ながら馬券の買い方を知らない人もいて。そういう人たちが馬券を買って、競馬を楽しんでいたそうですから。

小牧 それこそ相乗効果やね。

親方 でもね、なかには「ちゃんこ屋」と間違ってるのかなっていう人もいて(笑)。あるとき、稽古場の2階に知らないおじさんがいたから、「おじさん、誰?」って聞いたんですよ。そうしたら、「いやぁ、もうお腹いっぱいです」って(笑)。勝手に入ってきちゃったんですね。そんなこともありました。

太論

湯気が立ち上るちゃんこ鍋。煮込まれた素材を、卵黄、醤油、海苔などを混ぜ合わせた特製のタレに付けていただくのが田子ノ浦部屋流。


小牧 それは困ったもんやな(笑)。来年以降はどうすんの?

親方 園田競馬場さんが「また使っていいよ」って言ってくださったらぜひ。園田さん次第です(笑)。

小牧 今はシャワーしかないけど、これで風呂を作ってくれたら最高やな。きっと来年には立派な風呂ができてると思うで(笑)。引き続き、応援するから頑張って!

親方 はい。ありがとうございます。小牧さんにもまだまだ頑張ってもらわなくちゃ。時間ができたら、また競馬場まで応援に行かせていただきます。
太論

ちゃんこ鍋のほか、小牧騎手が思わず「美味い!」と声を上げた牡蠣ご飯(写真中央)も。このほか、餃子や牛タン、唐揚げなどなど、こだわりのお手製メニューに舌鼓を打った小牧騎手でした。

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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