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【桜花賞】レコードVの快走は「早すぎる」と思われた4コーナーの動きにあり!

  • 2019年04月11日(木) 18時01分
哲三の眼

▲圧巻のレースレコードで、C.ルメール騎手は桜花賞連覇!(c)netkeiba.com


今年の桜花賞はグランアレグリアが格の違いを見せつけ、クリストフ・ルメール騎手は、桜花賞連覇の快挙を成し遂げました。傍から見ると「先頭に立つのが早すぎるのでは?」と思われた4コーナーの動きが、実は一番のポイントだと分析する哲三氏。そこには敗戦を糧にした2つの理由が込められていました。攻めの姿勢を見せ続ける大胆さとそれをこなしてしまう卓越した技術を兼ね備えたルメール騎手らしさ全開の騎乗は、大舞台で有力馬に騎乗する状況だからこそ輝きを増して見えました。(構成:赤見千尋)

敗戦から見えてきた懸念材料をまとめて払拭


 今年の桜花賞は2番人気だったグランアレグリアが早め先頭から快勝。朝日杯以来のローテーションで難しい部分もあったと思いますが、圧倒的な強さを見せてくれましたね。

 騎乗したクリストフは今回もさすがだなと思わせるところが随所にありましたし、それ以上に強く感じたのが、前走の敗因をしっかり分析して臨んだ一戦だったのではないかということです。もちろん敗因を分析することはいつもしていることだと思いますが、今回特にそこが際立っているように感じました。

■4月7日 阪神11R(8番:グランアレグリア)

 なぜなら、レースの中で一番のポイントになったのが4コーナーの回り方だから。外から先頭を伺う勢いで、傍目には「先頭に立つのが早過ぎるのではないか」と映ったかもしれません。

 今回、4コーナーで早めに外から先頭に立ったことは、2つの意味があると思います。一つは前走の朝日杯で外から一気に被されて負けたため、被されたくないという気持ちが強かったのではないかと。まずこのポイントをクリアすることが最重要課題だったのではないかと感じました。

 ただ、『被されなければいい』というだけならば、あのまま先頭に立たなくても、外2番手辺りで待つもできたはず。しかし馬のスピードに任せてそのまま先頭に立ったのは、もう一つのポイント、『馬の気持ちを途切れさせないため』だったのではないかと。

 これはあくまで僕が見た印象ですが、グランアレグリアは

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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