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確実性が高いレイデオロの半弟アブソルティスモ

  • 2019年04月24日(水) 12時05分
●アブソルティスモ(牡 美浦・藤沢和雄 父ダイワメジャー、母ラドラーダ)

 キャロットクラブで募集価格1億円。日本ダービー(GI)と天皇賞・秋(GI)を勝ったレイデオロ(父キングカメハメハ)、セントライト記念(GII)2着馬レイエンダ(父キングカメハメハ)の半弟で、マーガレットS(OP)を勝ったティソーナの全弟。母ラドラーダはノーザンファームが所有する最も重要な繁殖牝馬の1頭で、牝系はレディブロンドを経てウインドインハーヘア(ディープインパクトとブラックタイドの母)にさかのぼる超良血。

 レディブロンドの子と孫は、現時点で9頭がJRAでデビューして8頭が勝ち上がり、2頭がGIを勝っている。「ダイワメジャー×シンボリクリスエス」の組み合わせは重賞を4勝したミスパンテールと同じ。全兄以上の活躍を期待したい。芝向きのマイラー。

●ヴァンタブラック(牡 栗東・須貝尚介 父ブラックタイド、母プチノワール)

 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を勝ったローブティサージュ(父ウォーエンブレム)の半弟。母プチノワールはアサクサデンエン(05年安田記念-GI、05年京王杯SC-GII)と同血(父が同じで母同士が全姉妹)で、Glorious SongとMachiavellianを通じたHaloクロスを持ち、Sadler's Wells(≒Nureyev)がサポートするという配合構成なので、ヴィルシーナ(13、14年ヴィクトリアマイル-GI)、ヴィブロス(17年ドバイターフ-G1、16年秋華賞-GI)、シュヴァルグラン(17年ジャパンC-GI)を産んだ名牝ハルーワスウィートと配合構成がよく似ている。

 父ブラックタイドは名馬キタサンブラックの父。母のポテンシャルが高いのでいつ大当たりが出てもおかしくない。芝向きのマイラー。

●ヴィンカマヨール(牡 美浦・田島俊明 父ゴールドアリュール、母カラヴィンカ)

 母カラヴィンカは未勝利馬だが、アメリカで3年連続リーディングサイアーとなったTapitの半妹で、2代母Tap Your HeelsはRubianoの半妹、4代母Moon GlitterはRelaunchの全姉という超良血。Dr.FagerとIn Realityのニックスから成るTap Your Heelsに、同種の血を凝縮したQuiet Americanを母の父に持つBernardiniを掛けた母は、明確な配合的意図を感じる。

 体質の弱さもあってこれまで産駒に勝ち星を挙げた馬はいないが、わが国最高のダート種牡馬だったゴールドアリュールとの配合は魅力的だ。当たれば大きな組み合わせだけに脚もとに問題がなければダート戦で出世が見込める。1600〜1800mがベスト。

●コンドゥクシオン(牡 美浦・中舘英二 父ダイワメジャー、母アドマイヤハッピー)

 半兄にウォータクティクス(父ウォーエンブレム/09年アンタレスS-GIII)、4分の3兄にキタサンアミーゴ(父フジキセキ/11年小倉記念-GIII・2着、11年ダイヤモンドS-GIII・3着)、ハッピーモーメント(父ディープインパクト/17年目黒記念-GII・3着)がいる。母アドマイヤハッピーは名門ダイナカール牝系の流れを汲み、年度代表馬エアグルーヴと4分の3同血という良血。近親にはエガオヲミセテ、オレハマッテルゼ、ドゥラメンテ、ルーラーシップ、アドマイヤグルーヴ、アイムユアーズなど、多数の活躍馬がひしめいている。

 本馬の「ダイワメジャー×トニービン」という組み合わせからはコパノリチャード(14年高松宮記念-GIなど重賞4勝)、フロンティア(17年新潟2歳S-GIII)、クライムメジャー(16年サウジアラビアロイヤルC-GIII・3着)、ダイワリベラル(16年ダービー卿CT-GIII・4着)などの活躍馬が出ている。全兄ハーモニーソードは現時点で未勝利だが、配合は上々なので狙ってみたい。芝向きの中距離タイプ。

●フランジヴェント(牝 美浦・金成貴史 父キンシャサノキセキ、母ライクザウインド)

 母ライクザウインドは未勝利馬で、JRAでデビューを果たした8頭の産駒のうち勝ち上がったのはわずか1頭と産駒成績は平凡。しかし、ディープインパクト、ブラックタイドの半姉、レディブロンドの半妹にあたる超良血馬なので、一発大当たりを出す可能性は十分ある。

 母方にデインヒルを持つキンシャサノキセキ産駒は走っており、函館2歳S(GIII)を勝ったカシアス、小倉2歳S(GIII)2着馬サイモンゼーレ、フェニックス賞(OP)を勝ったシングルアップなど、とくに早い時期の2歳戦で好成績が目立つ。配合的には兄姉よりも期待できる。芝向きのスプリンター〜マイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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