血統レベルも上がりGI馬も出た注目のセリ
今回は千葉サラブレッドセールの話を書きたい。オリンピックまでには終わると言われた好景気は終わる気配がなく、このところの株安もバイヤーには影響を及ぼさなかったようだ。総額は11億超え。平均価格も前年比+43%の618万円。特に血統のある馬には多くのバイヤーが飛びつき、昔のこのセールだったら相当の高額ゾーンだった3000万円、5000万円というラインも軽々突破していた。
POGで千葉セリの馬を指名するケースはそれほど多くないのかもしれないが、血統レベルが上がっているうえにGI馬も出た。おそらくドラ9,10でも取れるので、大人数ドラフトでは検討価値があるのではないだろうか。
今回は個人的な好みでいく。母サンシャイン(牡/父キングカメハメハ・和田勇・475キロ)は時計として目立ったものではないが、千歳にいたときからしっかり時計を出していて、馬体も十分に立派。社台ファームもデキには自信を持っているようだったし、なにより血統の裏付けもある。セリの途中では長浜鑑定人の「一点の曇りも無い血統!……(母)サンシャインだから」の名台詞も飛び出し、そこからまた500万円くらいビッドが動いていた。ボーナスが出てもいいと思う(笑)。
牝馬では母エインセル(牝/父スウェプトオーヴァーボード・矢作・458キロ)。さすがに4320万円となると普通のバイヤーは付いていけないが、良い素材を探していくとこのあたりに行き着くのは事実。「千葉セリのスウェプトにハズレなし」の中でも特に注目の存在だ。
個人的にかなり気に入っているのが母オーラ(牝/父ダノンシャンティ・奥村豊・472キロ)。千歳で見せていただいたときに、歩きの柔らかさと歩様の活発さが印象に残っていた馬。母は高齢だが小さく出ているわけではないし、上もそれなりに走っている。自分が馬主だったらたぶん母エインセルを競ってコテコテに負けたあとこれを競ったと思う。
もう1頭、これも母高齢だが母ディアウィンク(牡/父オーシャンブルー・長谷川・469キロ)も挙げておく。プレビューでは4角を反対手前で回ってくるようなロスもあったが、直線1Fは11秒2とまとめた。さすがにこの父は未知数ではあるが、ナカヤマフェスタの半弟だからステイゴールド後継ならアリだし、父が1代下がって気性リスクが後退するなら歓迎材料だ。
1ハロン最速の母ララサンタフェーズ(牝/父タイキシャトル・地方・446キロ)は岩手競馬に入るとのことなので、時計で注目するなら2ハロンのファステストをマークした母マンボスルー(牝/父キンシャサノキセキ・未定・431キロ)。1836万円と意外に価格が伸びなかったので私が見落としている要素があるのではと不安になるが、血統などは早い時期の短距離向きで面白そうだ。