▲4月1日にこの世を去ったウオッカへの思いを語る四位騎手 (C)netkeiba.com
GI恒例の「コース解説」企画。実際にそのGIを勝ったことのある騎手に、コースの特徴や攻略方法を教えていただきます。ダービー編の今回は、2007年にウオッカで、2008年にディープスカイで勝利し、連覇を果たした四位洋文騎手が登場。
後編では、4月1日に天国に旅立ったウオッカについて語っていただきます。「僕にとってウオッカは“恩人”」、そう表現した四位騎手。胸に秘めた、ウオッカへの思いとは。
(取材・文=不破由妃子)
クラシックは流れがイレギュラーになりやすい
──馬との信頼関係のほかに、ダービーの特殊性というのはどのあたりに感じますか?
四位 クラシック全般に言えることかもしれませんけど、古馬のGIと違って、経験の浅いジョッキーが乗ってくる機会が多いイメージがありますね。しかも、若馬同士のレースですから、行くと思われていた馬が行かなかったりして、流れがイレギュラーになりやすい。
たとえば、大逃げを打った馬がいたとして、その離れた2番手に経験の浅いジョッキーがつけたとしたら、ものすごくペースが遅くなったりするんです。なんていうんですかね、レースが固まってしまうというか、フリーズするというか。そういうケースが多いような気がします。
──イレギュラーな流れにも対応できる経験が必要ということですね。あと、レースがフリーズするとなると、結果的に枠順も影響してきますよね?
四位 そうですね。結果論ですが、たとえばスワーヴリチャードでいうと、枠が決まった時点では内枠でよかったなと思ったんですけど(2枠4番)、終わってみれば外枠のほうがよかったなとつくづく思いました。レイデオロが途中からマクっていくのを見ながら、「俺も動きたい!」と思ったけど、動くに動けなくて。
──2017年のダービーは、前半1000m通過が63秒2という稀に見るスローペース。馬群のなかにいる馬たちは、まさにフリーズ状態でしたものね。