今後の活躍が期待される3歳牝馬たちの一戦、第241回英オークス
未知の魅力に溢れた逸材が揃った
31日(金曜日)にエプソムダウンズで行われる第241回英オークス(芝12F6y)の展望をお届けする。
25日(土曜日)にあった登録ステージで、1頭の追加登録馬を含めて16頭の3歳牝馬がラインナップしている。
ブックメーカーが3.0〜3.5倍のオッズを掲げて1番人気に推しているのが、3万ポンド(約430万円)の追加登録料を支払っての参戦となったジョン・ゴスデン厩舎のメダーイア(牝3、父フランケル)だ。
祖母がG1サセックスS(芝8F)、G1ジャックルマロワ賞(芝1600m)など5つのG1を制したサイエダーティというファミリー出身の同馬は、2歳8月にデビュー。3戦目となったヤーマスのノーヴィス(芝8F3y)で初勝利を挙げて2歳シーズンを終了。今季緒戦となったチェルムスフォードのハンデ戦(AW10F)を14馬身差で制して2勝目を挙げて臨んだのが、5月8日にチェスターで行われたLRチェシェアオークス(芝11F75y)だった。
17年には勝ち馬エネイブルが、18年には2着馬フォーエヴァートゥゲザーが、次走英オークスを制していることで、おおいに注目が高まっているオークスプレップがチェシェアオークスで、道中中団内埒沿いで競馬をしたメダーイアは、直線に向くと桁違いの脚を繰り出し、2着以下に4.1/2馬身差をつける快勝。今年の3歳牝馬戦線には抜けた馬がいないと言われてきただけに、その鮮烈なパフォーマンスはファンや関係者に戦列な印象を与え、一気にオークス戦線の主役に躍り出ることになった。
3.5〜4.0倍という差のないオッズで2番人気に推されているのが、エイダン・オブライエン厩舎のピンクドッグウッド(牝3、父キャメロット)である。
昨年のG1愛ダービー(芝12F)勝ち馬ラトローブの全妹にあたるピンクドッグウッドは、3歳時は4戦1勝。デビュー3戦目となったゴウランパークのメイドン(芝8F)を7馬身差で制して初勝利を挙げた後、ロンシャンのG1マルセルブーサック賞(芝1600m)に出て5着に終っている。
初勝利後にいきなりG1にぶつけたことからもわかるように、厩舎での期待はもともと非常に高かった馬で、シーズンオフの調整もうまくいったことから、管理調教師が今季の開幕前から「ウチのオークス候補」と明言。オークス前売り1番人気に祭り上げられた上で迎えたのが、4月28日にナーヴァンで行われたLRサルサビルS(芝10F)で、期待に応えて同馬は今季緒戦となったここを快勝している。
続いて、7〜8倍のオッズで3番手評価となっているのが、ウィリアム・ハガス厩舎のマクサド(牝3、父シユーニ)だ。
仏国の名家ウィルデンシュタイン家の生産馬で、祖母がG1仏オークス(芝2100m)やG1ヴェルメイユ賞(芝2400m)など3つのG1を制したアクアレリストという血統背景を持つ同馬は、16年11月に催されたヴィルデンシュタイン家のディスパーザルに上場され、ハムダン殿下のシャドウェルに77万5千ユーロ(当時のレートで約9140万円)で購買されている。
2歳時は2戦未勝利に終わった後、今季緒戦となったニューマーケットのメイドン(芝8F)で初勝利。続いて出走した同じくニューマーケットのプリティポリーS(芝10F)で5馬身差の快勝を見せ、オークス有力馬の一角に浮上することになった。
そして、オッズ8〜9倍の4番手評価を受けているのが、メダーイアと同厩のアナパーナ(牝3、父フランケル)だ。
G1ヨークシャーオークス(芝11F188y)2着、G1フィリーズマイル(芝8F)3着などの成績を残したラッシュトゥーザトップの6番仔となる同馬は、2歳12月にウルヴァーハンプトンのメイドン(AW8F142y)でデビュー。ここは9着と大敗したが、次走では変わり目を見せ、3歳1月にリングフィールドで行われたメイドン(AW10F)を5馬身差で制して初勝利。ひと息入れて出走したのが5月11日にリングフィールドで行われたLRオークルトライアルS(芝11F133y)で、ここも6馬身差で快勝してオークスに駒を進めることになった。
英オークスは、日本時間の水曜日夜に最終登録のステージが設けられてるが、発展途上の印象があるものの、それだけに未知の魅力に溢れた逸材が揃った感があるのが今年の顔触れだ。今後のこの路線を占う上でも、見逃せない一戦であることは間違いない。
なおレースの模様は、グリーンチャンネルで1日(土曜日)24時から放送の「All In Line〜世界の競馬」の中で録画放映される予定なので、ぜひご覧いただきたい。