▲和田騎手(右)と岩崎騎手(左)が初の叔父&甥っ子対談 (撮影:山中博喜)
昨年の宝塚記念をミッキーロケットで制した和田竜二騎手。テイエムオペラオー以来、17年ぶりのJRAGI勝利でした。そんな叔父の姿をみて「僕のヒーロー」と語っていた岩崎騎手。一方の和田騎手も、一昨年のnetkeibaでのインタビューで「翼はこれから要注目ですよ」と期待を寄せていました。
しかし昨年の夏、岩崎騎手が落馬負傷。和田騎手は甥っ子の状況を、自身のツイッターでいち早く発信しました。親族がゆえの、ふたりの特別な絆。この対談では岩崎騎手から「りゅーさんにだから話せること」、和田騎手から「いま翼に伝えたいこと」を、じっくりと語り合います。
(取材・文=不破由妃子)
物心ついたころには、テイエムオペラオーで活躍
──今回は初の「叔父&甥っ子」対談です。和田さんと岩崎さんが親戚関係にあるのは有名ですが、改めてどういった血縁にあたるのか教えていただけますか?
岩崎 僕の母親が、りゅーさん(普段岩崎さんは和田さんのことを“りゅーさん”と呼んでいます!)のお姉ちゃんです。すでに定年しましたが、祖父(和田騎手の父・守氏)も厩務員でしたし、母親とりゅーさんの間の叔父も調教助手(牧田厩舎の調教助手・裕一氏)。完全に競馬一家ですよね。
和田 翼が産まれたのは、俺が競馬学校に入ってから。だから、甥っ子といっても、翼の幼少期はほとんど知らん。俺も若かったから自分が遊ぶのに忙しかったのもあって、翼をどこかに連れて行った記憶とかないもんなぁ。
岩崎 ですよね。僕は物心ついたころには、すでにテイエムオペラオーで活躍していましたから。だから、子供のころのりゅーさんの記憶といえば、競馬に乗っている姿しか思い浮かばない。
ひとつだけ覚えているのは、何のレースだったのかはわからないんですけど、パドックでうちの家族が全員で歓声を上げたら、りゅーさんがこっちをチラ見したこと(笑)。そのシーンだけはなぜか覚えています。
和田 「静かにしとけ!」みたいな感じでチラッと見たに違いない(笑)。
▲和田騎手「その時はきっと“静かにしとけ!”みたいな感じ(笑)」 (撮影:山中博喜)
岩崎 そうでしょうね(笑)。当然、競馬のことはよくわかっていませんでしたけど、漠然と「スゴイ人なんやなぁ」と思ってました。
──そんな和田さんの姿が幼心にもたらした影響は大きいでしょうね。「ジョッキーになりたい」というのは、どういったタイミングで和田さんに伝えたんですか?