▲和田騎手×岩崎騎手、初の叔父&甥っ子対談が実現! (撮影:山中博喜)
昨年の宝塚記念をミッキーロケットで制した和田竜二騎手。テイエムオペラオー以来のJRAGI勝利でした。そんな叔父の姿をみて「僕のヒーロー」と語っていた岩崎騎手。一方の和田騎手も、一昨年のnetkeibaでのインタビューで「翼はこれから要注目ですよ」と期待を寄せていました。
しかし昨年の夏、岩崎騎手が落馬負傷。事故からわずか2カ月半での復帰に、症状の重さが語られることはあまりありませんでしたが、「実は、騎手として復帰できるかどうか以前の問題だった」と和田騎手。今改めて語られる、あの時の真実とは。
(取材・文=不破由妃子)
「ああいう落ち方をすると、復帰したあとが大変」
──岩崎さんは、プラチナムバレットに騎乗した昨年の七夕賞(7月8日)で落馬負傷。約2カ月半の休養を余儀なくされたわけですが、改めてどのようなケガだったのでしょうか。
岩崎 クモ膜下出血でした。手術はせず、とにかく安静にするしかない状態で。
和田 落ち方がよくなかったからねぇ。俺は同期の常ちゃん(常石元騎手)を近くで見てきたからわかるけど、乗り役としては頭を打つのが一番怖い。頭ばかりはどうにもならんからね。翼も入院中の記憶がないんやろ?
岩崎 はい。1カ月くらい入院したけど、その間のことはホントに覚えてないんですよね。食事も自分で食べて普通に過ごしていたらしいんですけど、記憶だけがない。
和田 目を覚ましているというだけで、家族の顔も自分が誰かもわからへん状態やったよな。
▲「乗り役としては頭を打つのが一番怖い」と和田騎手 (撮影:山中博喜)
岩崎 そうみたいです。あとで家族に聞いたんですけど、最初に目を覚ましたときは、自分の名前も年齢も職業も言えへんかったって。「何歳ですか?」って聞かれて、「14歳です」って答えたらしいですからね。むちゃくちゃや(笑)。
和田 さっきも言ったように、俺は同期で同じような経験があったから、割と冷静でいられたけど…。最初の2週間は、さすがに心配やった。
騎手として復帰できるかどうか以前の問題で、とりあえず普通の生活ができるまでに回復してくれたらいいなと思ってた。でも、2週間を過ぎたあたりから徐々に回路が戻ってきて。そこからは早かったよな。