▲同じような立ち位置、お互いに聞いてみたかった今後のビジョン (C)netkeiba.com
6月23日終了現在、松山騎手が全国リーディング10位、佑介騎手が20位。一見安泰なように思える“リーディング20位以内”は、実は怖い立ち位置だと言います。共にこれまでGIを1勝。同じような立ち位置にいるからこそ、理解し合えるものがあります。お互いに刺激し合うため、ふたりの間で立てた今年1年間の目標があるそうで…!?
(取材・文=不破由妃子)
安泰どころか、余裕なんて一切ない
佑介 ここ数年は、良くも悪くも安定しているというか、ポジションが定まってきた感じがあるじゃない? それに、俺もそうなんだけど、GIを勝つことの喜びは知ったものの、なかなか2つ目、3つ目とはいかなくて…。チャンスも限られているし、今、お互いすごく難しい立ち位置にいるよね。この立ち位置、怖くない?
松山 怖いです、ホントに。
佑介 だよな。今回、弘平をゲストに呼んだのは、同じような立ち位置にいるからこそ、今後どういうビジョンを描いているのか、そのあたりを聞いてみたかったんだよね。
松山 今はやっぱり、大きいところを勝ちたいという気持ちが強いです。GIはもちろん、重賞ももっと勝ちたい。正直、GIをひとつ勝ったら、もうちょっと勝てるようになるのかなと思ってましたけどね(苦笑)。
▲2017年の皐月賞をアルアインで勝利 (撮影:下野雄規)
▲27歳でGIジョッキーとなった松山騎手 (撮影:下野雄規)
佑介 甘くないよなぁ〜。今の時代、ポンポンとはいかないよね。波がくるまでの待ち時間が長かったり、逆に突発的に波が発生したり。当たり前やけど、常に準備をしておかなくちゃいけない。自分に圧倒的な力があればいいんやけど、そうじゃないだけに難しい。
よく「リーディング20位以内にいれば安泰やろ」みたいに言われるけど、全然そんなことなくて。余裕なんて一切ないからね、ほんまに。
松山 僕も同じですよ。余裕なんてまったくない。
佑介 中堅のなかでも立ち位置が近いというか、求められる過程も似てると思うんだよね。たとえばGIで乗り役が決まっていない馬がいたとして、さあ、誰を乗せようってなったとき、おそらく俺と弘平はリストアップされる4〜5人のなかに入っているわけで、まずはそこを勝ち抜いていかなくちゃいけない。