デビューの近い好調教馬、赤本のシルシは付いてた? 付いてない?(須田鷹雄)
改めて未来を予測する難しさを痛感
この時期、2歳馬の調教でちょっと動いた馬がいると、「赤本でシルシ打ってたかしら」と不安になったりする。まあ、行っていない育成場の馬はどうしようもないが、スタッフの誰かが見ていたり、取材で名前が挙がったりしているのに巻末リストが3枠とも無印だと、ひとりくらい△打ってもよかったのにな〜と思ったりするわけである。
幸い、本文中に登場したり、△が打たれているケースもある。先週の好調教馬だと、まずは先週栗東CWの4Fで2歳最速だったグランスピード。早ウマページで紹介されていたときほどの早さではなかったが、今月お目見えの予定で、私が△を回していた。
同じキズナ産駒のランクアップはシルシを回した記憶が無いな……と思ったら、本誌が△を回してくれていた。
同じくCWで長めから追って最後も11秒台でまとめたオータムメロディーはディープ産駒だし写真あり+牧場リポート登場でもあり、巻末リストも△◎△。浅野さんが堂々の◎だった。これは新馬から人気になってくる馬なので私の△止まりについて言い訳をすると、取材時点でデビューが早そうな雰囲気がなかったのと、当時444キロというサイズによるもの。ただ前者についてはもうデビューしてくるわけだから、良い意味で期待を裏切ってくれたことになる。
関東馬は美浦改修の影響でポリトラック人口(馬口?)が増していて、それをどう評価するのかが難しいところ。とりあえず時計が出て悪くはないだろうというところで、先週好時計+大きく先着したキョウエイゴーを取り上げたい。そういえばこれもキズナ産駒だ。同馬は浦河産地馬体検査の受検馬で、写真掲載+私のピックアップで原稿にも収録した馬。誌面の関係で浦河組は6頭しか写真掲載できなかった中に入れた馬なので、これが走ってくれるとけっこう嬉しい。
シアンフィデールは7月20日の福島芝1800mを予定。こちらは早来のサンチバ組で写真も使ったのだが、私は無印で本誌が△だった。いきなり芝で走ってしまうかもしれないが、後々はダートにも含みが残る血統だし、どこかで勝つ馬ではと考えている。
以上はシルシが回っていた馬たちだが、「あー全員ヌけてるか〜」と後悔する馬もいる。例えばフジマサリアル。そもそもリアルインパクトのプチブームを読めていなかったので仕方ない面もあるが。ちなみにここまで出走したリアルインパクト産駒では、勝った3頭が巻末掲載無し、シルシ無し、シルシ無しで、ビップリバプール、マイルポスト、クローストゥミーといった惜敗組にはシルシが回っている。新種牡馬には甘めにシルシを打つようにしているのだがそれでもこれだから、やはりほんの少しの未来でも予測するのは簡単なものではない。